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黄黒 ☞ 相合傘
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黒side
「わー!!なんでこんなに降ってるんスかぁ…予報では20%って言ってたのに!」
「そうですねぇ…」
誠凛と海常での練習試合が終わり僕の帰りを待っていた黄瀬くんの言うように今日の天気予報では雨は降らないはずだった
まあ、予報は絶対ではないので恨むのは筋違いである
「俺、傘なんて持ってきてないっスよ…」
隣のイケメンが残念そうにうらめしそうにため息をついた
「黄瀬くん…どんまいです」
「待って何そのいい笑顔」
「それじゃあ僕はこれで」
「えっ?黒子っち?えっ??」
鞄から折りたたみ傘を取り出し、黄瀬くんを置いて外に出る僕に裏切られたような顔をしている
「なんて顔してるんですか」
「だって!黒子っちも当然傘もってきてないもんだと思ってたから」
「この前入れた折りたたみ傘が鞄に入りっぱなしだったことを今思い出しました」
「え〜!黒子っちだけずるいっス!」
「なんですかそれ。別にずるくないです」
「俺も入るっス!!」
何を言い出すかと思えば、普通の傘でさえ男子高校生2人が入るには小さいと言うのにそれよりさらに小さい折りたたみ傘の中に入るというのか
「…君はバカですか」
「ひどい!!」
「こんな小さいのに入れるわけないでしょう!」
「え〜、いーじゃん。なんか、青春っぽくて」
「何言ってるんですか。嫌ですよ…確実に濡れるし」
「このままだと俺がずぶ濡れっス〜!!」
わーーん!!と言いながら小学生のような泣き真似をする190cm超えの男子高校生、正直面倒くさくて置いていきたいがそうしたら後でさらに面倒くさいことになるので、僕の右半身か左半身には犠牲になってもらうしかない
「…はぁ、しょうがないですね」
「!」
「僕が風邪をひいたら君のせいですからね。黄瀬くん」
「…ッはいっス!!ありがとう黒子っち!大好き!!」
「はいはい、君の好きは聞き飽きました」
「ふふふ〜」
ずぶ濡れで帰ることにならなくて済んだからか嬉しそうな黄瀬くんの顔がだらしない
ああ、僕の半身…なるべく濡らさないようにしますからね…
黄瀬くんの方が身長が高いので黄瀬くんが傘を持つ。そうすることに慣れています、と言わんばかりにとても自然に肩を抱かれて一緒に傘の中に入り屋根の下から出た
傘が小さいせいだけれどいかんせん距離が近い
しかも、僕が濡れないようにとしているのか僕の方にばかり傘を傾けて黄瀬くんの肩が濡れてしまっている
女の子じゃないのに、少し勘違いしそうになる
「…黄瀬くん」
「ん?なぁーに」
「肩、濡れてます」
「ぅえ?!黒子っち雨当たってた?ごめんね〜!!」
黄瀬くんの肩のことを指摘したのに。彼はどこまでもイケメンだ
「違います、君のですよ」
「ん?あぁ、いいのいーの!黒子っちが濡れなければそれで」
「くそめ」
「えっ?!なんでっスか?!」
「なんでもないです」
昨日の授業中、小さい頃にいくつか流行っていた可愛らしいおまじないを思い出してノートの隅に小さく落書きをした
もちろん、描いた後で恥ずかしくなってすぐに消したけれど。今の状況はそれによく似ている
「ね、これってさ…友達同士ってより恋人同士っぽくない?」
「…は、なんですかそれ。嫌ですよ」
「なにそれぇ、俺が彼氏じゃ嫌っスか?」
「君、面倒くさそうじゃないですか」
「え〜そんなことないと思うんだけどなぁ」
突然何を言い出すのかと思えば、今日は心臓に悪いことが起こりすぎる。主な原因は黄瀬だ
そんなことを言っている間に僕の家まで着いてしまった
「…あ、わざわざありがとうございました」
「いいえ〜」
「傘、返すのいつでもいいですから」
「ん?いや、いいっスよ。」
何を言っているんだ。まさかここまで来てずぶ濡れで帰るとでも言うのだろうか
「俺、自分の傘あるっスから」
「……は」
ほんとに、何を言ってるんだ。わざわざここまで来て自分の片方の肩を濡らしてまで何がしたかったのだろうかこの男は
「だって、黒子っちと相合傘したかったんスもん」
「………ばかですか、君」
「なんとでも言ってくださいっス!…好きな子との相合傘は男のロマンっスよ〜」
「好きな子…って、え?」
「ふふ、じゃあね黒子っち」
彼は最後に爆弾を落として駅までの道を歩いて行った
ねぇ、こんなおまじない知ってる?
傘の下に名前を書いた2人は両思いになれるんだって
。
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