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act1-4
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本日の講義はすべて終了、時間はすでに夕方18時だ。
帰りに食材を適当に買って帰らないと、夕飯の材料がない。
何を買って帰ろうか、帰る準備をしながら考えていると、横に影をできる。
見上げると、遠山がいた。
「宮野君、帰ろう!」
「あ・・・オ、オレ、帰りに材料、買わないと・・・」
「材料?」
「あ、えっと・・・晩飯、の、材料・・・」
「あー、そういや宮野君自炊派だったね。」
そう言う遠山ととりあえず講義室を出る。
「じゃー、俺も買い物付き合うよ。」
「・・・へっ?」
思わず見上げると、遠山が吹き出した。盛大に。
「ブッ・・・・アッハハハハ!!なにその顔?!めっちゃきょとんとしてる!!!」
腹抱えて笑い出しやがった。
恥ずかしさで顔が赤くなる。そのまま無言で歩を進める。その後ろからは、いまだに余韻に浸っている遠山がついてくる。
「宮野君、ごめん!普段見ない表情するから、面白くてついっ・・・・!!」
「べ、べつに、おもしろくない、し・・・」
とりあえず、構内のスーパー経由の帰路につく。
「ところで、今日何作るの?」
「・・・・ん~~~・・・パスタ、と・・・テキトーに野菜炒めか、なにか。」
「何パスタ?」
「えっ?・・・ん~~・・・和風?」
「なんで疑問形なのさwww」
帰り道に談笑の花が咲く。
オレの話す言葉なんか、詰まるし小さいし聞き取りにくいだろうに、そんなこと気かける様子もなく、遠山は明るく話をしてくれる。
そんなこんなでスーパーでは、パスタの追加補充分と、人参、玉ねぎ、鶏肉、豚肉を買う。冷蔵庫にある残りの野菜と合わせて、炒め物の材料だ。
そのまま寮に入り、エレベーターへ向かうとき、声をかけられた。
「宮野一哉くん」
「・・・・」
遠山とともに無言で目線だけを後ろにやると、そこには学生会会長がいた。
「昼時はすまなかったね。改めて、挨拶にきたよ。」
穏やかそうだが、口調や表情が上から目線なのは変わりない。
オレはできれば関わりたくないので、一礼だけしてエレベーターではなく階段を使おうとしてそのまま会長の横を通り抜けようとすると腕を掴もうとする。
その瞬間、一緒に動いていた遠山のが会長の腕を払った。
「すいません。彼今日は疲れているみたいなんですけど、今でないとできない話ですか?」
「君、昼間にも宮野君を連れて行った新入生だね?この件は、君にはまったくの無関係だから、割り込まないでくれ。」
「友達なので、それは許可できないですね。」
「友達だろうが、君の許可が必要かどうかの話じゃあない。宮野君の将来にかかわる話なんだ。・・・宮野君!少しでいいから、話をさせてくれないか?」
オレは二人のやり取りを立ち留まってみていた。コミュ障のオレでは、あそこまで反論もできないし、正直会話を成立させられない。
目を彷徨わせ、悩んだ挙句、遠山を見つめる。
「あ、あの・・・えっと・・・」
「「ん??」」
会長と遠山の声がかぶる。
「え、と・・・とお、やま君も一緒なら・・・・は、はな、しくらい、は・・・き、きき、ます・・・」
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