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弟子 3 *
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デューク「ルディさん、さっき教えて頂いたことなんですけど...」
ルディ「あー質問は仕事してるときだけにしてくれ」
面倒臭い
買い出しから戻り薬の試作をしたり作り置きしたりで1日を終え、部屋で一息ついている時まで質問をしてくる
悪いことではないが、俺だって休みたいところだ
ルディ「腹減った」
デューク「すぐ作りますっ」
・
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久々に、酒飲みてえな
ルディ「酒」
デューク「ワイン開けちゃっていいですか?」
昼間のことでまだイライラする
酒飲んで忘れよう
ふとデュークを見ると、自分の分には水を注いでいた
ルディ「お前も飲めば?」
デューク「僕まだお酒飲めなくて...」
ルディ「お前いくつだよ」
デューク「18です」
ルディ「……」
7つも歳下のガキに身長を遥かに越されている事実が悔しい
質問した事を後悔し、ぐいっと酒を流し込んだ
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・
・
・
デューク「ルディさん...」
ルディ「あ?んだよもっとよこせ」
デューク「飲みすぎですって...」
ルディさんはワインを次々とグラスに注ぎ
4杯目くらいになると顔が赤くなり動きが重たくなった
デューク「ルディさん、もう寝ましょう。ほら」
ルディ「おい、まだ飲むって、片付けるな!……ヒック」
だめだ...
もう片付けてしまおう、そして寝かせよう
デューク「ほらグラス!貸してください!」
ルディ「嫌だ」
デューク「これ以上飲んだらベッド行けなくなるでしょ」
ルディ「あ?馬鹿にすんじゃねえぞ」
デューク「うわッッ」
ルディさんの手から半ば強引にグラスを取り上げようとしたその時、ルディさんがぐらりと僕の方に傾き
そして椅子から落ちた
ゴトッ
デューク「ルディさん!」
ルディ「酒ぇ...」
自分を見上げるルディさんの顔
酔って頬が赤らんでいても眉間にはしっかりシワが寄っている
ルディ「まだ……飲むんだよ…………まだ……」
少し眠気が混ざったその目はうっすら潤んでいた
仰向けになっていよいよ眠ってしまいそうなルディさん
ルディ「……まだ…………」
端正な顔立ち
長いまつ毛に少し開いた口
褐色の肌に赤らんだ頬
不機嫌そうに眉をひそめている
不覚にも、可愛い、と
ルディ「なに...ん」
気づけば僕は、ルディさんに口付けていた
ルディ「ん、……ん」
ルディさんの腕が僕の肩を押し返そうとするが
体格が良いとはいえないルディさんの細い腕は、簡単に押さえつけることができた
ただ触れ合うだけのキス
ルディ「ぅ...」
あまりにも魅力的に見えた
唇を離し、ルディさんの首筋に顔を埋める
するとルディさんの角張った肩が微かに震えていることに気づく
デューク「ルディさん...?」
見るとルディさんは眉をひそめたまま、唇を微かに震わせていた
ルディさんの目は僕を見ていなかった
デューク「あ…」
何をやっているんだ僕は
ああ、最低だ
デューク「ルディさんごめんなさい、大丈夫ですか?」
ルディさんは何も言わないまま、ただ震えていた
体を起こし、寄りかかってくるルディさんの背中をゆっくり撫でる
デューク「ルディさんごめんなさい、本当にごめんなさい...ルディさん?」
寝てる
男相手に、それも師匠に
キスをしてしまった
……でも
殴り飛ばされてもいいような状況だったのに
ルディさんは殴るどころか震えていた
ルディさん、いつもは
誰にも弱みを見せないし弱音も吐かない
強い人なんだと思ってたけど、本当は違うんじゃないか?
ルディさんの事が知りたい
この人の事をもっと、知りたい
・
・
・
・
・
・
頭痛てえ
デューク「あ、おはようございます...」
キッチンに向かうとテンションの低いデューク
いつも犬みたいに寄ってくる分、変に違和感がある
デューク「あの...昨日はごめんなさい...」
ルディ「?」
デュークは何の事を言っているのか
全く身に覚えがない
デューク「ですから昨日、キス...」
ルディ「は?」
デューク「えっ覚えてないんですか?」
デュークはがっくりしたようなホッとしたような顔をする
というかキスって何だ
ルディ「どういう事だ」
デューク「すみません……っ!!」
膝に頭がぶつかりそうな勢いで頭を下げるデューク
こいつも昨日俺を襲った連中と同じってことか?
失望感がじわじわと湧き上がってくる
ルディ「お前そういう目で俺の事…」
デューク「ち、違います!僕はルディさんのこと尊敬してます...」
じゃあなんでキスするんだ
なんか
イライラよりも
胸の真ん中がぽっかり空いたような
なんだ
悲しい
悲しい?
今まで誰とも馴れ合わないように
知りすぎないようにしてきた
信じても
結局みんな
俺の身体を欲しがるだけだ
……
昔のこと思い出してへこむなんて、女々しいな
俺は何で失望してるんだ
こいつに何を期待してたんだ?
ルディ「出てってくれ」
デューク「ルディさっ」
ルディ「出てけ」
デューク「っ........」
手早く荷物をまとめ、裏口から出ていく
扉を閉めるとき
小さな声で『本当にごめんなさい』と言ったのが聞こえた
何なんだよ
テーブルを見ると、作りたての朝食
ほんと
何なんだよ
ぬるくなったコーヒーをひと口飲む
角砂糖3つにミルクを少し
...何で知ってんだよ、俺が甘党な事
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