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謎の美男 4
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「「カハッ」」
「「うっ、すみませ...ぐッッ」」
何だ...?
遠くから声がする
・
・
・
・
「大丈夫かい!?」
扉が開く音と共に聞こえてきた声
誰だ?
突然目隠しが外され、眩しさに目を細める
そこには見覚えのある紫色の瞳
ルディ「アーロン……?」
アーロン「ああ、良かった。...泣いているのかい?可哀想に...」
泣いてる?
気づけば目の周りは涙で濡れていた
アーロンが俺の足や腕を椅子から開放していく
ローションはすっかり乾き、肌がパリパリしていた
どのくらい時間が経ったかわからない
体中が軋んで痛んだ
アーロン「無理しないで、痛いんだろう?」
立ち上がろうとしたが、アーロンに止められる
アーロンは自身の上着を俺に着せた
アーロン「ほら、抱えてあげるから」
ルディ「ッ触るな! ......あ...」
指し伸ばされた手を払い除けてしまった
相手はアーロン
あの男共ではないのに
少し悲しそうな顔をするアーロン
ああ、ごめんな
ルディ「.........それより、何でここ...」
俺も知らないこの建物に
どうしてアーロンがいるんだ?
アーロン「君が連れ去られる所が見えたものだから......建物の関係者を探して、入れてもらったんだ。なかなか許可が降りなくてね…大変だったよ」
ルディ「............そうか」
ありがとな
アーロン「歩けるかい?」
ルディ「ん...」
アーロンが先程よりもそっと
俺の目を見ながら手を差し出す
よろよろ歩きで扉の外へ出ると、目の前には階段があった
地下だったのか
アーロンの肩を借りてなんとか階段をあがると
初めに見た廊下があった
アーロン「服はそこの部屋に置いてあるみたいだから」
そう言うと1番目の扉を開け、俺を中へ通した
アーロン「ここで待ってるね」
アーロンを廊下に残し、扉が閉められる
服は雑に置かれていた
知らない場所で1人服を着るのはなんか変な感じだ
アーロン、いい奴だな
あいつが来てなかったらどうなっていただろう
考えただけで吐き気がする
そういえば
男共はどこに行ったんだ?
あいつら
ガタイのいい奴らばかりだった
アーロン1人で大丈夫だったのか?
…
アーロンは意外と強かったりするのだろうか
猛獣使いだもんな
あんな絵に描いたような王子様なのに
扉の向こうに味方がいると思うとなんだか安心できた
……デューク、元気かな
もしもデュークを追い出していなければ
あいつはまた俺を探し回ってるかな
……
いいんだ
今は、アーロンがいる
そう簡単に他人を信用するのは賢くないが
あいつはこんな所にまで、俺を助けに来た
恩を忘れるほど俺はクズじゃない
・
・
・
アーロン「帰ろうか」
ルディ「1人で大丈夫だ」
アーロン「だめだよ、また何かあるかもしれない」
相変わらずよろよろ歩きの俺の横にぴったり引っ付いて歩く
さり気なく背中を支えてくれてる
女扱いされるのは好きじゃないが、アーロンは多分そういうつもりじゃないんだろう
こいつにとっては、普通の事
アーロン「表は人多いし、裏から出よう」
アーロンに導かれながら建物を出ると、そこは路地裏だった
暗い路地裏をアーロンに寄り添われながら家へと向かった
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