アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
兄妹
-
・
・
・
・
・
デューク「ありがとうございました!」
昼時になり客もいなくなる
デューク「...僕らもお昼にしますか」
営業中の昼飯は
デュークが朝のうちに作っておいたサンドイッチやハンバーガーなんかを
1人が奥で食ってる間1人が店番するって感じだ
ルディ「俺店番するから先食ってこい」
デューク「じゃあお先に...」
デュークが奥の部屋へと姿を消す
と、そこに
ギイィッと控えめに扉が開き、チラッと可愛らしい顔が覗く
中に客がいないことを確認するようにキョロキョロした後、静かに中へ入ってきた
ルディ「...いらっしゃい」
...ロールケーキの女だ
俺の声にビクッとなって固まった
「こ、こ、こ、こんにちは...っ」
目を逸らすタイミングを失った女は、赤くなった頬を引きつらせてじっと俺を見ている
女が口を開きづらいだろうと思い、俺はカウンターに肘をつき顔を背けた
「あ、の...」
女が小さな声で言う
風邪薬か、それとも胃腸薬が欲しいのか
目だけを女の方へ向け、次の言葉を待つ
「す.........す............…………すき...です.........」
ルディ「.........」
女は俯きながら言った
そうだった
ロールケーキの女は
俺のことが
・
・
・
沈黙が続く
女は俯いていてよく見えないが、ふるふると震えて今にも泣き出しそうだった
俺は何か言わなければいけないと思いつつ、一体何を言えばいいのかわからない
ルディ「...............サンキュ.........?」
迷った末に出た言葉は、やはり全くの筋違いな気がした
女は少しだけ顔を上げる
その顔は真っ赤だった
女に好意を持たれるのは初めてだ
ベージュのコートに桜色のブーツを身につけた
いかにも純情そうな少女
俺がもしも普通の野郎だったら
断る理由なんかなかったかもな
だけど
...頭に浮かんでくるのが何でデュークなんだ
ルディ「...ごめんな」
「...」
女はしばらくそのままで
少ししてから顔を上げると、俺に笑顔を向けた
ふにゃっとした、幼い笑顔
眉はハの時に下がり、頬は火照っている
涙をこらえたような笑顔に何故か胸が痛んだ
「ごめんなさい、気にしないでください...ルディさんに言いたかっただけなの」
そう言うと財布を取り出し、胃薬くださいと言った
手ぶらでは帰らない
律儀な女だ
胃薬を鞄にしまい、店を出ようとした女に声をかける
ルディ「ケーキ...……美味かった」
「!」
驚いて振り返った女は、嬉しそうに笑い
顔を赤らめて帰っていった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
39 / 192