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兄妹 4
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カルロス「メグはな、家でお前のことばっか話してんだ」
ルディ「...」
カルロス「無口だけど本当は優しいんだと」
ルディ「...」
デュークたちが部屋を出てから、俺はずっとこいつの話を聞いている
相槌なんか必要ないくらい、1人でどこまでも話しやがる
カルロス「俺らの親はなぁ、メグがまだ赤ん坊の頃に火事で死んじまった」
突然暗くなって、ぼそぼそと話し出す
カルロス「だから俺がメグを守ってやるんだ」
次は上を向き胸の前で拳を握り締め、力強く話す
情緒不安定という言葉はこの大男には似合わないが
なんというか、テンションが定まらない奴だな…
カルロス「だからな、メグが毎日楽しそうにお前の話をするのが嬉しいんだ」
ありがとな
そう言われて、どう返していいかわからない
カルロス「メグが13くらいの頃だったかなァ...俺が珍しく風邪ひいちまってよ。俺が死んじまうって、メグが大泣きして薬屋に1人で走ってったことがあるんだ」
ルディ「...」
カルロス「...覚えてねぇか?」
覚えてる
昔
泣きながら店に飛び込んできた小さな女の子がいた
死ぬ死ぬって泣きじゃくるから、俺は焦って...
詳しく聞けば、風邪だとわかった
風邪薬と頭痛薬なんかも持たせて帰らせた
そうか、あの女は
カルロス「あれからあいつ手作りの菓子なんか売って、金が貯まると薬屋に通うようになってな」
おかげで家には風邪薬が大量だぜ、なんて笑っている
メグ、店に通ってくれてたのか
俺は人の顔を覚えるのが苦手だ
ごめんな
カルロス「メグはおふくろにそっくりなんだ。特に髪の毛がなァ...綺麗だろ?」
ルディ「...あぁ」
母親
俺にもいた
らしい
母さんと呼んだこともないけど
カルロス「俺は父親似なんだ。赤髪とかな。メグとは似てねえなあ」
俺は母親に似ているとよく言われた
肌の色は、母親譲りだと
そのおかげで沢山の嫌がらせを受けたな
理由はわからねえけど
小さい頃
親戚の家に住まわせてもらってた
両親は死んだと言われていた
親戚の家族は皆色が白かった
俺だけが違う色
家の子供にいじめられたな
カルロス「でな...って、おい、聞いてんのか?」
ルディ「あ、わり」
カルロスが腰を丸めて覗き込むように俺を見ていた
駄目だな
昔のこと思い出すのはやめだ
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デューク「メグちゃん本当に料理上手いね」
メグ「えへへ」
キッチンでは、美味しそうなアップルパイが出来上がっていた
メグちゃんの料理の腕前は、僕から見ても凄いものだった
沢山作ってきたんだなあ
デューク「夕飯も作っちゃおうか!もう夕方だし、ご飯食べていきなよ」
メグ「いいの!?」
初めて他人と一緒に
たわいもない会話を楽しみながら料理するのは
それはそれは楽しくて
メグ「お兄ちゃんもいい?」
デューク「もちろん!」
メグちゃんとの距離も縮まり、仲良くなれた
たまにはこういうのもいいな
今日はルディさんの好物いっぱい作ろう
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