アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
記憶 7
-
そうか
引越したのか
俺は10歳にも満たないままこの家を出た
欲しいなら自分で稼いで買えと言われて
それを素直に受け止めて街に出た
子供とは純粋なものだ
俺が家を出る時
引き止める者はいなかった
むしろお荷物が退いたようなスッキリした顔だったと思う
だが
街に出ても
簡単に金は手に入らなかった
腹が減ると、夜な夜な街のゴミ箱を漁った
市場の果物を盗むこともあった
街でも、汚い俺に優しくする奴などいなかったが
家で奴隷のような扱いをされるよりは断然良かった
そんな生活を続け
15歳にもなると、骨格は大人に近くなった
何も食べられない日が続くこともあり
栄養が足りずあまり背は伸びなかったが
盗みを働き、逃げ回るうちに
体の筋肉もついた
するといつからか大人の男が寄って来るようになった
はじめは親切な人だと思った
でも
俺は学んだ
信じることは賢くない
俺に近づいてきた大人の1人に
医者がいた
そいつも皆と同じように俺の体で遊んだが
ほかの奴とは少し違った
そいつは俺に薬の作り方を教えた
一人で生きていく術を教えた
盗むんじゃない
商売の仕方を
別に感謝はしていない
教え方は酷かったし
そいつは医者のくせに俺の体を散々に扱った
でも
薬を知らなかったら
今頃俺は犬死にしていただろうな
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
54 / 192