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猛獣使い 3
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ルディ「ん...」
目を覚ますと、見慣れない天井が見えた
目がチカチカする、真っ赤な天井
背中に感じる柔らかい感触
どうやらベッドの上らしい
ルディ「...?」
体を起こそうと動くと耳のすぐ側で金属音がした
むくりと上半身を起こす
そして驚き目を見開いた
ルディ「何だこれ...っ」
自分の首には鉄の首輪が付けられ、それは鎖でベッドの柱と繋がれていた
着ていたはずの服もない
ジャラジャラとまとわりつく鎖は、力任せに引っ張ってみてもびくともしなかった
ルディ「クソッ」
苛立ちと不安感に舌打ちをした
その時不意に物音が聞こえた
それは音と言うよりも声
いや、動物の唸り声のような
俺は思わず息を呑む
ルディ「...誰かいるのか」
部屋が薄暗いせいでもあるが
自分の状況に動転していて気づかなかった
静かな視線を感じる
何かが、俺を見ている
部屋の隅の方で、2つの小さな光が動いた
ルディ「...嘘だろ……」
それはゆっくりとこちらに近づいてくる
「グルルルルル......」
虎だ
ルディ「っ...」
間近で虎を見るのは初めてだ
鋭い目はギラギラと光り
俺の目をじっと見つめている
怯えてなんかいない
そんな強がりは、今回において適応しない
猛獣に、食い物を見る目で見つめられて恐怖心を抱かないという方がおかしな話だ
俺は座ったままズルズルと後ずさりした
虎から目を逸らせないまま
ベッドは大きかったが、そのうち背中は壁にぶつかり逃げ場をなくした
虎は大きな前足でのしっとベッドに乗ると、鼻先を俺に近づける
俺の人生は虎に食われて終わるのか
抵抗も無意味だと悟り、ギュッと目を閉じた
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