アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
猛獣使い 14
-
デューク「.........」
目の前の光景に思考が停止する
・
・
・
・
・
ルディさんが誘拐されてから、店を放って街中を探し回った
連れ去った奴の手がかりは猛獣使いということだけ
時々街に現れてはショーを行う
仮面をつけた謎の男だ
誰も奴の居場所どころか、素性を知る者さえいなかった
1日目、夜通し探しても見つけられなかった
お腹が空いたとか
眠いとか
そんな事は頭に浮かばなかった
ただ、ルディさんに会いたくて
抱きしめたくて
2日目、夜
ルディさんがいない家で
ルディさんのことばかり考えていた
無事なんだろうか
お腹空かせてないだろうか
夜、泣いていないだろうか
心配で眠れなかった
デューク「...............」
3日目の夜
雪が降った
裏口を引っ掻くようなカリカリという音がして
扉をあける
そこにいたのは
とんでもなく大きな狼だった
狼はのそのそと家に上がり込む
デューク「...!!」
その背中には
デューク「ルディさん!!!」
ルディさんがいた
待ち焦がれていた、ルディさんが
狼はゆっくり体を倒すと、ルディさんを床におろした
ぐったりとしたルディさん
意識がない
デューク「ルディさん...っルディさん!!」
狼の存在も忘れてルディさんに駆け寄った
肩を抱き、呼びかけても反応がない
体は冷えきってまるで氷のようだった
そういえば、服を着ていない
ルディさんの体を覆っていた薄汚れた毛布をめくると
デューク「何だこれ...!」
全身アザだらけだった
赤く細長い痕や生々しい擦り傷、青紫色の内出血が至る箇所にあった
ルディさんをそっとうつ伏せにしてみると、背中には無数の引っかき傷
デューク「っ...」
許せない
ルディさんの肩を抱く手に力が入る
デューク「そうだ、お風呂...」
所々血の滲んだ傷口に砂利が入り込んでいる
まずはそれを綺麗に洗って取り除かないと
手当はその後だ
両手でルディさんを抱き上げる
そして驚いた
デューク「軽…」
前に抱えた時も、身長のわりに軽いと思ったが
その時よりも確実に体重が減っている
...3日間何も食べてないのか?
頭の中に疑問が溢れ出す
ルディさんは今までどこに?
床に伏せて、こちらをじっと見ているこの狼は何なんだ?
ひとつ溢れると尽きない疑問
今は考えるのはやめよう
僕は溢れ出す疑問を振り払うように、風呂場へと向かった
・
・
・
ルディさんがふらっと帰ってくるかもしれないと思って
湯船にお湯を張っていた
湯船にルディさんをゆっくり降ろすと
袖をまくり、ルディさんの体を優しく洗う
デューク「ルディさん...?」
洗いながら呼びかけてみても目を開けない
手足は凍傷で赤紫色に変色している
このまま起きなかったらどうしよう
そう思うと怖くて、服が濡れるのも構わずルディさんを抱きしめた
涙がじわりと溢れる
デューク「ルディさん、起きて下さい...ルディさん……」
何度呼んでも応えないルディさん
僕は涙で歪んだルディさんをただ洗い続けた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
71 / 192