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猛獣使い 16
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ルディさんの顔を見つめる
顔色が悪い
デューク「...あ」
そういえば、前にルディさんが言っていた
薬の使い方を知っていれば
人の命が救えるんだと
デューク「...そうだ」
ルディさんに教えてもらったんだ
薬を作る者は
人の命を救う者なんだ
僕は部屋を飛び出すと、薬の調合部屋へ向かった
ズラリと並ぶ棚の引き出しを手当り次第掻き回す
確か……確かこの辺に……
デューク「あった……!」
細い針、注射針だ
隣の引き出しには点滴用のパック
ルディさんは町外れの薬売りだ
だけど内緒で医療用具も僅かだけど持ち合わせている
そっけない人だけど
本当は
人を想う気持ちを持ってる
だから僕は
あの人を
心の底から尊敬するのだ
ルディさんは多分、3日間何も口にしていない
人は3日食べなくても生きられるけど、水分を摂らなければ4、5日で死んでしまう
ルディさんが今最も必要なのは水分だ
体に水分を補給するんだ
そうすればきっと...
僕は棚から栄養剤を取り出す
それらを調合したものを水に溶かして、ルディさんの教え通りに点滴を完成させた
デューク「よし...!」
急いでルディさんの寝室へ向かうと、ルディさんの腕に注射針を刺す
点滴台に吊るしたパックからポトポトと点滴が流れだした
デューク「...」
ルディさん
早く目を開けて
僕を見てくれ
少し体温の戻ったルディさんの手を握る
離れると消えてしまいそうな気がして、僕はずっとそばに座っていた
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