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催眠術師 2
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黒い布で覆われた小さな空間
占うための即席テントらしい
簡易な椅子に占い師と向かい合わせて座る
「綺麗な瞳ですねぇ...どうしてそんなに哀しい目をしているのです?」
どこか変な丁寧語で俺に問いかける占い師
不健康そうなタレ目が俺の目を見つめている
高くも低くもない、男の声
「...ああ、そうですか。辛かったですねぇ」
何も言っていないのに、ウンウンと勝手に頷く
「今にも壊れてしまいそうなのに...あなたを繋ぎとめているものは何です?」
ゆっくりした口調
やわらかい言葉
「ああ、なるほどなるほど」
俺はいつの間にか、考えることが出来なくなっていた
脳みそが眠っているみたいにぼーっとする
そんな俺に占い師は続けて喋りかけた
「...心が痛みますか?」
占い師の言葉が抵抗なく耳に入ってくる
「私が癒して差し上げましょう」
占い師がゆっくりとこちらに手を伸ばす
トン、と
指先が額に触れた
瞬間、眠るように俺は意識を手放した
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