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俺は目の前の大人しい少年から発せられた強い言葉に驚いていた。
宮本さんが何を言おうとしていたのかも気になったが、あの様子から竜樹としてはあまり聞かれたくない内容だったのだろう。
親父たちの話は盛り上がっているようだ。
このまま待っていてはいつまで時間がかかるかわからない。
俺は親父に先に帰宅する旨を伝えた。
「竜樹は?俺はもう帰るけどまだ残ってんの?」
「んー、お父さんの話長そうだから僕も帰ろうかな。」
「じゃあ一緒に帰るか?家まで送って行ってやるよ。」
宮本家も俺の家も、団地から離れたといっても実際に行ってみるとお互いの家の距離は歩いて10分もかからないような場所にあった。
「引っ越したあとの家に来るのは初めてだが、来てみたら案外近い場所に住んでたんだなぁ。」
「うん。」
「まぁ、なんだ…。さっきはごめんな?昔のこととはいえ、一緒に遊んでたのに忘れちゃっててさ。」
「別に気にしてない。」
「そ、そうか。それならまぁいいんだけどさ。」
なんとなく最初に会った時よりもちょっと冷たくなっている気がしなくもないな…
「じゃあ、俺も帰るわ。ぁ、そうだ。携帯持ってるか?」
「まぁ、はい。」
「俺の連絡先教えとくからさ、いつでも連絡してこいよ。せっかく久々に会えたんだし、また遊びに行こうぜ?」
「はい、さよなら。」
連絡先の交換を済ませた俺は心なしか意気消沈している竜樹を家まで送り家路についた。
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