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出会いは秋でした 2
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シャワーの湯が肌をすべっていく。
ミカは半ば後悔しつつ迷っていた。
どうしても引き止めたくて抱くとは言ったものの相手は未成年。
本人は慣れてるとは言うが、どうしたって罪悪感がつきまとう。
アルは初めてではない。
自分も同性を抱くのは初めてではない。
それでも、いや、大事にしたいからこそ抱きたくない。
こんな形では、特に。
どうしてこんなことになった。
自分の行動に呆れ、ミカは大きくため息をついた。
バスルームから出ると、もしかしてアルは、この隙に出て行ってしまっているのではないかと心配になり、ミカは慌てて寝室のドアを開けた。
室内にアルはいない。
やはり逃げられたか。
悔しさに唇を噛み、自分の浅はかさに腹を立てながらも、抱かずに済んだとホッとしてる自分がいるのに気づく。
今すぐ追えば間に合うだろうか?
どうやって探そう。
慌てて濡れた髪をタオルで擦りながら頭の中で計画を練り始める。
そこへドアの開く音がして、ミカは驚いて振り向いた。
「あ、ごめん。勝手に水もらった」
ミネラルウォーターのペットボトルを手にしたアルが、そこに立っていた。
「アル…」
まだ、しっとりとした髪のまま、ミカが貸したバスローブを着てドアのそばに立つアルの姿にミカは安堵し、直後に胸を締め付けられるような感覚に陥った。
開いた衿から見える鎖骨。
すらりと伸びた脚。
少し日に焼けた健康的な肌。
今から彼を抱くんだ-ミカは、また後悔に苦しくなり息を吐いた。
アルはナイトテーブルにペットボトルを置くとベッドに腰掛けた。
「俺どっち?」
まだ落ち着かない鼓動に戸惑っているミカを見上げながら、アルはそう聞いた。
「どっち…?」
「そう。俺、抱く方? 抱かれる方? あ、さっき抱きたいって言ってたから、抱かれる方でいいわけ?」
ミカは苦い表情をしてるであろう自分の顔を隠すため、髪を拭くふりをしてタオルで覆った。
どうしよう。本当に抱くのか?
まだ迷うミカが答えずにいると、「もしかして両方?」とアルが覗き込んできた。
慌てて髪をこすると、ミカはタオルをナイトテーブルに投げ、意を決してアルの目をまっすぐ見た。
「僕がアルを抱く」
その硬い表情を意に介さず
「ん、わかった」
アルはにっこりと笑った。
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