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アルは秘書1年生 4
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ソファからベッドまで、ミカが脱がせて放り投げたアルのネクタイやらシャツやらが点々と続いている。
ベッド近くの床にはミカのスーツが無造作に投げられてて2人は既に一糸まとわぬ状態だ。
普段ならミカが舌でノックすればアルはそれに応えて熱く舌を絡めてくる。
なのに今日はおずおずと薄く口を開くだけだ。
ミカの背に回された手も遠慮がちにじっとしている。
ミカは焦れてアルの歯列を割って舌をねじ込むと逃げるアルの舌を追いかけた。
応えないアルに構わず歯列の裏をなぞり、上顎をつつき、縮こまったアルの舌を掬う。
「アル」
鼻先の触れ合う距離でミカは瞳を覗き込んだ。
「何考えてるの?」
「だって…」
平日の昼間、2人で会社を早退して情事に耽るなど、申し訳ないというよりいたたまれない。
原因は自分のミスで、なのにサボってる。
周りに仕事を押し付け、おとなしく家にいるだけならまだしも、こんなことをしていいとは思えない。
「アル、君は誰?」
何を聞かれているのか分からず、アルはミカを見つめ返した。
「君は何?」
誰の次は何?
何と言われても困る。
アルはしばし考えたあと、きっと不正解だろうと思いながら答えた。
「ミカの…秘書」
「うん。それから?」
「それから?」
「そう。僕の秘書。それだけ?」
ミカは再びキスをすると、アルの耳元で囁いた。
「他にはないの?」
そして、耳を唇で愛撫し、そっと舌先でつついた。
「ぁう…!」
「相変わらず耳弱いね」
小さく笑うミカは首筋にキスを落としながら再度聞いた。
「それから? 他には?」
甘ったるい刺激に思考を邪魔されながらアルは、多分また不正解だと思いつつ答えた。
「ミカの息子」
「戸籍上はね」
「ひぅ…!」
正答ではないと言わんばかりにミカがアルの鎖骨に歯を立てた。
「じゃぁ、僕は誰? アルの何?」
ミカの舌がアルの胸を這い回り小さな突起を押しつぶした。
びくんとアルの体が震え、頭から爪先まで刺激が走る。
出会った時から乳首はアルの弱いところだったが、今はさらに敏感になっている。
何年もかけてミカが、ここは感じる場所だと体に教え込んできた結果だ。
「ミカは…はぁ…俺の…上司、雇用主、社長…」
ミカはアルの乳首を唇でギュッと噛んだ。
「ぅあ…!」
「他には?」
ミカがゆっくりと舌を下げ、臍の周りをくるくるとなぞる。
「俺を拾ってくれた人。恩人」
「惜しいね」
正答に近付いたようだが、まだ正解ではないらしい。
アルは快感にかすみ始めた頭で考える。
ミカは内腿に唇をすべらせながらアルの答えを待った。
「俺の…帰る場所…?」
「なんで疑問形」
苦笑しながらミカはローションを手に取り、温めてからアルの後孔に指を添えた。
「ん!」
入口をなぞるだけの刺激が物足りなくて腰が揺れてしまう。
それでもアルの息は、だいぶ早くなっている。
「まだ…当たりじゃないの…?」
潤んだ瞳で自分の足の間にいるミカを見上げながら、アルは困ったようにそう聞いた。
「だいぶ近付いたかな? じゃ、ご褒美」
ほんの指先だけをアルの中に挿れると、彼の体が跳ねる。
「すごい…。僕の指、奥へ奥へって飲み込まれてく」
「言わ…ないで…恥ずかしい」
上気した頬を隠すように腕で顔を覆ってしまったアルに、ミカは
「まだ正解してないよ?」
と答えを促した。
ミカの指がゆっくりとアルの後孔を押し開いていく。
その刺激でアルの縮こまっていたものが芯を持ち、緩く勃ち上がる。
ミカはそれを見て小さく笑った。
きっと緊張やら倫理観やらで抱かれる気分ではなかったのだろう。
そのせいで、いつもならとっくに先走りをこぼしている頃なのに、ずっと萎えたままだった。
いっそ、口で勃たせようかとも思ったが、今のアルはそれを受け入れられないだろう。
ミカはアルの気持ちが体に追いついてくるのをじっくり待っていた。
「アル?」
ミカが指を増やした。
ゆっくりとした抜き差しが焦れったくて、アルは悶えるように身を震わせた。
「答えて」
「ミカ…あ…キス、して…」
アルは両手をミカに伸ばしてねだった。
ミカはその腕に引き寄せられ、アルに優しくキスをした。
「ミカ、ミカは俺の大事な人。世界でたったひとりの俺の恋人」
息もできないほどの激しいキスをミカが仕掛けて、アルは必死でそれに応えた。
長いキスが終わって、互いに呼吸が早くなって、それでも構わずもう一度唇を重ねる。
「アル、正解だ。僕は君の恋人だ。そして君は僕の恋人。僕の愛するただ1人の人間だ」
「俺…」
「アル、愛してる。だから、アルを悪く言うことは許さない。傷付けることも。たとえそれがアル自身だとしても」
ああ、そうか。
アルはようやく理解した。
何がミカを不機嫌にさせていたのか。
それはつまりアル自身だったのだ。
失敗したことではない。
引きずってることそのものでもない。
いつまでも自分を責めているのは誰の得にも、何のためにもならない。
自分を卑下するのは簡単だ。
しかし、ミカはそんなことを許さないと言ったのだ。
そして、後ろを向いてる時間とエネルギーがあるなら前へ進めと言っているのだ。
自分は責めない。だから誰にも、アル自身にもアルを責めることは許さない。
今は学べ。
ミカはそう言いたかったのだと、アルはやっと理解した。
「ミカ」
アルはそっとキスをした。
「ミカ、愛してる」
柔らかく微笑むと、ミカはアルの額にキスをした。
「やっとアルからキスしてくれたね」
「…あ…うん…」
そういえばそうだなと頷いた瞬間、ミカがアルの勃ち上がったものを撫でた。
思わず大きく体を揺らすアル。
ミカはそれまでの笑顔とは違う、妖艶な笑みでアルを見下ろした。
「アルもようやくその気になってくれた」
満足そうにそう言うと、ミカは後孔から指を抜いた。
「アルのここ、パクパクしてる」
「言わないでよ…」
頬を赤くしてアルが抗議する。
「欲しい?」
色気をはらんだ瞳でそう聞かれて、アルは胸がぎゅっと苦しくなった。
「欲しい…。ミカが欲しい」
「いいよ。あげる」
そう言うと一気にアルの中を貫くミカ。
急な衝撃と鋭い快感にアルは背を反らして声を上げた。
「アルの中、気持ちいい」
内蔵を全部押し上げられるような圧迫感と、それに続く、全てを引きずられていくような感覚。
交互に来るその刺激に翻弄され、アルの体温は上昇し、鼓動も呼吸もさらに早くなる。
ローションの滑りを借りて激しく出入りするミカがアルの中をくまなく犯していく。
「アル、君は全部僕のものだ。そして、僕は全部、アルのものだよ」
ミカの背に回ったアルの指がくっと食い込み、爪跡をつけた。
「全部…?」
蕩けた瞳でアルが呟いた。
「そう。全部」
「嬉しい」
アルがミカを引き寄せ熱いキスをする。
「全部、俺の」
恍惚とした表情のアルは下腹を手の平でさすった。
「ミカが中にいる」
「アルの中、熱くて絡みついて、離してくれないよ」
「離さない。全部、ミカの全部、ちょうだい」
「もちろん」
ミカはアルの脚を肩にかけると激しく打ち付け、喘ぐしかないアルの唇を塞いだ。
そして2人は同時に熱を放つと、ただ抱きしめ合って眠りに落ちた。
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