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Vierge 4
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その夜、先にシャワーを浴びてベッドの上で本を読みながら、俺はミカを待っていた。
ミカはシャワー中。
ミカは俺より身長あるけど俺より細くて、なんていうか色っぽい。
少し暗めのブロンドも白い肌に合っててきれいだ。
小さい頃は女の子に間違われたって聞いたけど、うん、だろうな。
ミカは俺よりずっと大人で、だからいつも余裕があって落ち着いてる。
俺を抱いてる最中ですら楽しんでるのが分かるくらい余裕。
俺はいつも訳わかんなくなるくらいなのに…。
ちょっと癪だけど、でも、だからこそ、安心して身を任せちゃうんだよな。
ホント、俺って心底ミカに惚れてる。
だから誰にも絶対に渡さない。
ニノンだって、友達だけど、ミカに手を出すなら容赦はしない。
って言っても、ミカがうまくあしらうだろうけどさ。
「ふぅ」
ミカが髪を拭きながら戻ってきた。
風呂上がりとか、濡れた髪とか、バスローブとか、あー、だめだ、ミカの色気にあてられちゃう。
ベッドの端に腰かけるミカの後ろから抱き着いた。
ちょっと驚いたみたいだけど、ミカは片手で俺の頭を撫でて、「どうしたの?」って優しく聞いてくれた。
ミカの肩口に顔うずめると俺と同じシャンプーの匂いに混ざって、ミカのいい匂いがする。
「ミカ」
バスローブをずらして首筋から肩に唇をすべらせ、少し舐めてみた。
肩越しにキスをして、ミカを引っ張ると仰向けに倒れこんでくる。
「大好き」
俺がめちゃくちゃなキスをしてもミカは受け止めてくれる。
そして、やっぱり見透かされてるんだ。
「何が不安?」
ミカが両手を上げて俺の頬を包むように撫でた。
すごく優しい目で俺を見てくれてる。
俺の小さなモヤモヤも、不安も、嫉妬も溶かしてくれる目だ。
「ミカは俺の」
「そうだよ」
俺の下でミカが柔らかい声で肯定してくれる。
「誰にも渡さない」
「もちろん」
俺はミカの鎖骨に軽く歯を立てた。
「キスマーク、つけていいよ」
顔を上げるとミカが穏やかに笑ってる。
「僕がアルのものって印つけていいよ?」
ミカはバスローブをはだけさせ、胸の真ん中に手を当てた。
「ここが僕の心臓。ここにアルのものって印をつけて」
俺はそこに唇を当てると強く吸った。
赤い痕がミカの肌に映えてきれい。
俺はその横に、もうひとつ所有印をつけた。
そして、キスマークの上に耳を当てる。
ミカの鼓動が聞こえる。
ミカが生きてる証拠だ。
俺の頬に触れてる胸も温かい。
ミカがここにいる。
俺の髪をミカの手が梳いてくれる。
子供をあやすような手つきに、俺は気持ちが凪いでいくのを感じた。
「アル」
頭上からミカが俺を呼んだ。
「抱きたい?」
「え?」
ミカと目が合うと彼は静かに言った。
「僕を抱きたいかい?」
え? それって…、え? つまり…
「僕はアルのものだよ。それをアルが確認できて安心できるなら構わない」
俺が抱く方?
ミカの中に俺を、ってこと?
戸惑ってる俺の下から起き上がると、ミカはヘッドボードに寄りかかるように移動した。
「おいで」
まだ混乱してる頭を放置して、俺の体は吸い寄せられるようにミカの広げた腕の中へ納まった。
「初めてだから優しくしてね」
ミカがおでこにキスをしてそう言った。
え…?
「えー!? バージン!?」
にっこり笑顔で「そうだよ」なんて答えてるけど、ちょっと待って、ミカ、バージンなの!?
そしたら、色々と準備、いや、そうじゃなくて、えっと、時間かけてあげなきゃ痛いじゃん!
む、無理。バージンとか無理。
「大丈夫。ちゃんと中、洗ってきたから」
…はい…? ナカアラッテキタ? え? 中洗ってきたって言いましたか?
「な…なんで?」
「ん? 準備。必要でしょ?」
「じゃなくて、何でそんなこと」
「アルがなんか沈んでるから。きっとニノンのことだろうなって思って。僕はアルのものだけど、きっと言葉だけじゃ足りないんだと思う。存在を確かめ合うのがセックスだって言ったけど、言葉じゃ伝えきれない思いを表現する方法のひとつでもあるんだよ」
「…うん」
「キスも何もかも、僕たちは経験済みで出会ったから、アルに僕の初めてをあげることができなくて、何かないかなって考えたんだ。そしたら、ひとつあるって気付いた」
「だからって、そんな」
「アルが僕のもので僕がアルのものって、アルに刻みたい、刻まれたい。アル、僕の初めてを捧げるからもらってくれないかな?」
俺は迷いながらキスをした。
「痛いかもよ?」
「優しくしてくれるでしょ?」
「最初は気持ち良くないよ?」
「らしいね」
「明日、腰痛とか筋肉痛になるかも」
「休みだからいいよ」
「お腹痛くなることもあるよ?」
「それでもいいよ」
俺はもう一度キスをした。
「わかった。…ありがとう、ミカ」
穏やかに微笑むミカがきれいで、ひどく扇情的な姿してるのに神々しくて、俺は繊細なガラス細工を扱うみたいにミカの肌にキスを落としていった。
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