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混交雑 10
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翌朝は、もう普通で、アルには何の異常も無かった。
アルは自分だけ満足してしまったと済まなそうに言ったが、ミカは気にしていないと笑った。
ジルが休んだ分の仕事がたまっていて、その週は忙しく、あっと言う間に金曜日になった。
ミカは気にしていないと言ったがアルはやはり気にしていて、今日は誘っても大丈夫だろうか、明日の方がいいかな、と連日多忙だったミカの疲労を考えて迷っていた。
ミカはミカで、過ぎた快感は苦痛だったろうがちゃんとアルを抱きたいと思いつつ、アルはまだ怖いだろうかと迷っていた。
ロロをきっかけに表面化したアルの不安は、すでに姿を消していた。
多分ただ隠れただけで、きっかけさえあれば、また顔を出すだろう。
しかし落ち着いているのなら、今、何も無理に引っ張り出すことは無い。
アルも、だからきっと激しいセックスは求めてこないだろう。
なら、アルを堪能したい。
きめ細かい肌も、上気した頬も、潤んだ瞳も、甘い声も、何度味わっても飽きないアルを喘がせて、蕩け切った顔を見たい。
ミカはシャワーのコックをひねって湯を止めるとバスルームから出た。
寝室に戻るとアルはベッドランプを点けたまま眠っていた。
ミカはちょっと残念な気持ちになったが、ハードだった今週の仕事を考えて、疲れているのだろうと諦めることにした。
パジャマに着替えてアルの隣に潜り込み明かりを消す。
聞いてはいないだろうがと思いつつ、「おやすみ」とキスするとアルがミカに抱き着いた。
「…シないの?」
「起きてたの?」
「うん…」
ミカはそっとキスをした。
「考えてた。ミカは今週忙しかったから疲れてるかな、それなら休みたいよな、でも月曜は俺だけ満足しちゃったし、どうしようかな…、とか、色々」
「律儀というか、義理堅いというか…」
ミカは苦笑しながらアルの頭をポンポンと撫でた。
「アルは怖くないの?」
「何が?」
「月曜の夜は初めてのイき方したんでしょ? 怖いって言ってたし」
「あ-…、うん…、多分、大丈夫―と思う」
アルがへへっと笑いながら答えると、ミカは
「じゃ、遠慮なく」
と妖艶に笑った。
その射抜くような色気をたたえた瞳にアルはゾクッとなった。
喰われる―狙われた草食獣のように動けない。
なのに食べられることを望んでる。
そうか、食べられたいんだ。
ミカと細胞ひとつ、血の一滴まで同化しちゃいたいんだ。
アルがそう納得するのと同時に唇が塞がれた。
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