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混交雑 11
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キスとはこんなにも気持ちいいのかと改めて思わされるような長いキスで始まったセックスはミカの思惑通りになっていた。
スローペースなキスで体を期待でパンパンにし、アルの体を隅々まで味わうようにキスを落とす。
そうするとじわじわと体温が上がり、アルが緩やかに昇っていく。
しかし、体が望むようには上り詰めない。
あくまでゆっくりと、じっくりと…。
その長すぎる弱いが確実な快感に、アルの頭が理性を捨て、聴覚は鋭くなり、肌はミカの与える刺激だけを拾うようになった。
意識は外界を認識することを放棄し、ミカだけを捉える。
今日が何曜日で、今が何時で、ここがどこかなんてどうでもいい。
ミカと自分のいる今、ここだけが全て。
「アル、力抜いて。挿れるよ」
ミカの熱があてがわれるだけで体が歓喜する。
ゆっくりと押し入ってくるミカの質量にアルが高く啼いた。
自分の中で存在を主張するミカが感じられる。
アルはさらに呼吸を乱した。
ミカがそっとキスをし、なじむまで待ってくれる。
自分を気遣う優しさが嬉しくて、アルはミカに何度もキスをした。
「ミカに混ざっちゃいたい」
「ふふ、混ざるの?」
「そう。溶けて、合わさって、混ざって、ひとつになって、どっちがどっちか分かんないくらいになる…」
ミカが緩く奥だけを突いた。
「んぁ…!」
「ここに、アルの中に僕はいるよ。ひとつに繋がってる」
「繋がってるだけじゃヤダ」
ほんの数回だけ体を揺らす。
「アルの中、熱くて気持ちいい」
「もっと熱くして」
「おやおや、足りないの?」
「違う…。もっと熱くなったらミカが溶けないかな?」
「バターみたいに?」
「うん。そしたら俺の中にミカを取り込んでひとつになれるんだ」
「面白いアイディアだ」
笑いながらミカは律動を始めた。
アルが喋るどころではなくなって、ただ甘い声を口からこぼし続ける。
溶けてひとつに、か―。
そしたら24時間一緒にいられる。離れることはない。
見るのも聞くのも全て同時にできる。
体験も情報も共有できるだろう。
そうしたら思いも考えも同一になるだろうか?
視点が同じなら、きっとそうなるだろう。
そうなれば意見の食い違いも無く相互理解は楽にできる。
平和だ。
しかし、退屈だ。
自分とは違うアルという人間がそばにいる。
違う感覚、視点、考え、体験。
同じものを見ても、同じ体験をしても、得るものが違う。
だから人は争いもするが、しかし、だからこそ面白いのだ。
愛する人をバターのように溶かして取り込みたいなど、ミカは考えたことがなかった。
アルの自分とは違うユニークさが好きだ。
違うからこそ愛しい。
こうしてひとつになっていても違う人間だからこそ愛せる。
違う人間だからこそ欲しいと思え、独占したいと思える。
自分じゃないからこそ抱きしめてキスできる。
そして、ひとつになりたいと思って体を繋げる。
そうできるのはアルが自分ではないから、他者だからこそ。
「愛してるよ、アル」
アルが答えたくても答えられず、ぎゅっとしがみつく。
ミカの耳にアルの熱い吐息が絶え間なくかかり、ミカは愛しさを募らせた。
そう、きっと、溶けてひとつになるなら2人でひとつになるのではなく、2人の一部を溶け合わせた存在が欲しい。
それが多分、子供なのだろう。
「アル、愛してる。アル、アル」
色んな言葉で胸にあふれる思いを伝えたいのに、出てくるのは愛してるだけ。
言葉は、だからもどかしくて、足らない部分を体で埋めていく。
体で伝えるのがセックスだよ――いつかアルにそう言った。
アルは覚えているだろうか?
「ミカ、好き。大好き」
アルが喘ぐように言葉をこぼすと、早い呼吸の合間に短いキスを繰り返した。
それに応えてミカがキスすると、アルの中が激しくうねりだす。
「イっていいよ、アル」
ミカが角度を変えて浅いところを押し上げるようにした。
「…ひっ…あぁっ…!」
がくがくと体を震わせてアルが2人の間に熱を放ち、その絞り上げるようなうねりにミカもアルの中に欲を注いだ。
「俺…も…愛してる…」
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