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愛してるって言いたかった。ハグしてキスをしたかった。 3
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長時間バスで移動するのも、ミカ以外と泊りがけで出かけるのも初めてのアルは、子供のようにはしゃいで友人たちを驚かせた。
彼らはアルが記憶喪失だと知っている。
だから、もしかしたら初めてではないかもしれない体験にも、世間ずれしてない反応を示すのは仕方ないとわかっているから呆れたりはしない。
しかし彼らは子供ではないため、子供並みのテンションのアルにはついていけなくて、何回目かの休憩のあと眠ってしまった。
アルはバス内の他の人たちに迷惑にならないように自分も眠ろうと思ったが、興奮で寝付けず窓外の景色を眺めていた。
やがてバスは山を登る道に入った。
カーブが続く上り坂を延々と走る。
いつの間にか景色は白くなっていて、路面もうっすらと雪で覆われていた。
天気は晴れ。
予定では昼前に到着する。
山影から出た車内を午前の太陽が照らした直後、バスは衝撃を受け、大きく揺れてガードレールの外へ横転した。
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