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愛してるって言いたかった。ハグしてキスをしたかった。 19
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「怪我をしている人が先です。子供とお年寄りも先でお願いします」
レスキュー隊員が現れた時には、皆、歓喜の声を上げた。
アルも仲間と抱き合って喜んだ。
「早く俺たちの番、来ないかな」
「仕方ないよ。元気な若者は後だから」
救助は遅々として進まない。
斜面が急なためロープを使って引き上げられるようにして、レスキュー隊員と共に雪の上を歩かなくてはならない。
当然全員を一遍には無理だ。
しかも往復に小1時間もかかる。
救助を待つアル達に温かい飲み物と携帯食が配られたのは、もう2時間も前だ。
「あぁ、うまいもん食いてぇ」
「さっきまでチョコ1粒でいいからって言ってたのに」
「急に贅沢になったわね」
皆、笑顔だった。
久しぶりに笑ったような気がした。
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