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恋人たちの祭り 2
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「…で、俺達に相談したい、と」
「うん、何かいい案ない?」
アルは友人達にバレンタインデーに何を贈ったら良いか分からないと、昼食を摂りながら悩みを打ち明けた。
「まずは花束でしょ? それから食事、アクセサリー」
「香水とか靴もいいわよね」
「セクシーなランジェリーなんかもありよ」
アルは一瞬想像して、「無理」と顔を赤くした。
「思い出の場所をめぐるドライブは、俺やったことあるぜ」
「うわっ、気障~」
「映画も良いし、あとは相手の趣味に使う物とかは?」
「趣味?」
「旅行好きならトラベルグッズとか、好きなアーティストのライブに誘うとか」
「年上のカノジョは何が好きなの?」
カノジョじゃないけど、まぁ、いいや。
「趣味は料理。お菓子も作るし、紅茶とかすごく詳しい」
5人の目がにやりと光る。
「うん、うん、それで?」
これを機にアルの恋人の人物像を探ろうという魂胆らしい。
「世界中のお茶を飲んでるよ。家には色んなお茶の葉っぱがあってビックリするくらいなんだ」
「ふむふむ」
「ワインも結構詳しいよ。色々教えてもらった。後は美術館とかお芝居も連れて行ってもらったし、クラッシックコンサートも連れて行ってくれる」
5人の目が興味津々というよりは好奇心丸出しでアルを見ている。
そんな彼らの視線にさらされたアルの表情は、それはそれは幸せそうだ。
この際だから、惚気るだけ惚気させようと5人は待ち構えていた。
しかし、アルは彼らの表情に気付いて口をつぐんだ。
「それから?それから?」
「…ダメ。これ以上は言わない」
「おや~、それじゃぁ、プレゼントの相談には乗ってあげられないな~」
「そうだぞ~、アル。相手の趣味が分からないんじゃ選びようがないじゃないか」
大義名分を振りかざしてくる友人達にアルは
「も、もういい。自分で考える」
と、逃げてしまった。
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