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あなたを愛します 1
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機械の力を借りて規則的に上下する胸。
眠っているように穏やかな表情。
それに似つかわしくない無機質なチューブ。
顔色は少し悪いけど相変わらず優しい顔つきをしてる。
子供の頃は女の子に間違われて、童顔だから社長なのに貫禄ないのが悩みと良く笑ってた。
年月を経て、今は少ししわもあるけれど、柔らかい印象は変わらない。
声を荒げたりするところを見たことが無い。
もう何十年も一緒にいるけど。
単に甘いだけじゃない。
厳しさを要求される立場だから、優しいだけでは通らない。
でも、それでも柔和な人であることに変わりはない。
以前、ジルにミカのどこが好きなの?とからかわれた。
どこと言われても困ると答えたような気がするけど覚えていない。
でも、彼の表情ににじみ出る優しさが好きだ。
(ミカ…)
年齢を物語るように少しかさついた彼の手を取り、アルは指先にキスをした。
その手には指輪がはめられていて、アルの指にもお揃いの指輪が光っている。
(ミカ、独りにしないで)
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