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arbre généalogique ~mére~ 8
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「ところで、これは3人だけの秘密なの?」とヘリュが心配そうに聞くので、ミカは自分達は構わないがキュヨスティやリクとシニッカ、その家族達がショックを受けないかと心配した。
世代が下がるほど偏見は少ないから大丈夫、とヘリュが笑って請け合ってくれたのでミカは任せることにした。
食事の後、ミカが持ってきた写真を今度はリクやシニッカの息子、娘達がテーブルでアルと一緒に見ていた。
孫同士ということもあってか、アルとヘリュの孫達は、この短時間でだいぶ打ち解けていた。
キュヨスティはヘリュのベッドに広げられた写真を見ながらミカと話に花を咲かせ、ヘリュも笑っている。
そして、ヘリュはミカに聞いた。
「そういえば、結婚式はしなかったの? 写真があれば見たいわ」
もちろん彼女はミカとアルの式のことを言っている。
しかしキュヨスティは、ミカの相手はここにいないアルの母か誰かだと思っている。
「写真は持ってきていませんが…、あ、スマホにあるかも。ちょっと待ってください」
ミカは液晶画面をタップし、目当ての画像を見つけるとヘリュに見せた。
「あら、素敵」
「どれ?」
覗き込むキュヨスティに、ヘリュはスマホを渡した。
だが彼は不思議そうに画面を見つめるばかり。
「…これはミカ?」
「はい」
「隣はアル?」
「はい」
「2人ともテイルコートだよね」
「ええ」
ヘリュは悪戯っぽく笑った。
「ミカのお嫁さん、アルなんですって」
キュヨスティは絶句して、それから大きな声で「えぇっ!?」と驚いた。
その声でテーブルにいた全員が彼の方へ顔を向けた。
「そうなのか。ははっ、全然気付かなかったな!」
してやられたと笑うキュヨスティに、シニッカ達が「どうしたの?」と近寄ってきた。
彼はスマホを見せて、「アルはミカの嫁さんなんだとさ」と笑った。
ミカのスマホが手から手へ渡り、「ほぉ」とか「へぇ」とか「かっこいい」という声が次々に上がる。
その様子を、ひとりテーブルに残り、少し離れた所から見ていたアルは、拒絶されなくて良かったと安堵した。
ふと見るとキュヨスティがアルに手招きしている。
首を傾げながらアルは椅子を立った。
「今更だろうが、今知ったから言わせてくれ。結婚おめでとう」
アルははにかみながら「ありがとうございます」と答えた。
リク達も口々にアルとミカに「おめでとう」と言い、「先に言ってくれれば良かったのに」と笑った。
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