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邪魔者扱いされながらも最後には頼られるのが長男
なめられてばかりだけど皆が求める優しさをくれる次男
それぞれ兄弟の中心に立っている二人の間に
俺なんて立ち入れない。
暗黙のルール化としてしまった
“お兄ちゃんの独り占めは禁止”
他の皆からしたらそれは“1人”を指しているのかもしれないけど
俺にとっては“2人”だ。
独り占めは許されない皆のお兄ちゃん。
皆の頭の中で洗脳的に刷り込まれているかもしれないその言葉は強力で
自ら進んで遊びに誘う弟は少ない。
まぁ、その分向こうが誘ってくるのだが……
俺は羨ましかったんだと思う。
隣に並べることが、慕われることが、安心しきって微笑む顔が。
俺もそこからその景色を見たいと思ってしまった。
キラキラと目を輝かせ幼い顔を見せるカラ松を
俺はお前のその立場から見たかったんだ。
その、“長男”という立場から、
ただ数分産まれたのが遅かっただけでこんなにも差がつくなんて、
あぁ、
「独り占めしたい」
ゾワッ…!!
俺は勢いよく顔を上げた、いつの間にか眠ってしまっていたみたいだ
机ではカラ松が床では一松
「マッスルマッスル!ハッスルハッスル!」
「も〜声大きいよぉ……」
トド松を担いだ十四松が階段に向かう姿が見えた
「もうお開きだから起きろよ〜」
俺の隣に立っていたおそ松兄さんが一松の腕を掴んで肩を組んだ
「ぇ……あ、あぁ、うん」
眠い目を擦って伸びをしているとおそ松兄さんも階段に向かう
「え、ちょっと、僕がカラ松兄さん運ぶの?」
そう言うと一松を引き寄せ直したおそ松兄さんは薄く微笑んだ
「俺だって独り占めしたいの」
「……ぇ」
間抜けな声をもらした俺はその赤と紫のパーカーをただ見送った
あの時の核心をつくような言葉は幻聴だったのか、それはよくわからない。
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