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一ノ瀬くんの家に着いた俺は、渡された合鍵を使い、中に入った。
「失礼します……」
誰かいる訳では無いが、そう言って靴を脱ぐ。
しかし、やっと家に着いたという安堵感と、ここまで耐えてきた変な感覚に、俺は壁に背を付けて座り込む。
「はぁぁ……」
これは、どうしたらいいんだろう。
熱が篭ってて、気持ち悪い。早くなんとかしたいけど、何をどうすればいいのか分からない。
苦しいし、辛い。
「はぁっ……は……」
俺は、床に手を付き、その肩に頭を乗せた。
もう、身体が怠い。
(………)
コート、一ノ瀬くんの匂いだ。柔軟剤の、いい匂いがする。
これで、一ノ瀬くんの家に上がるの、3回目だ。
男、嫌いなのに。男性恐怖症なんて忘れそうになる程、自分は一ノ瀬くんには甘え過ぎてるのかもしれない。
どうしよう。
「ふ……は、ぁ……っ」
まともに息ができない。
なんで、こんなことになっちゃったんだろう。
元はと言えば、全部世良さんが悪い。世良さんが、あんなことしなければ。
そんなことを思っても、もう過去の出来事になっているから、どうしようもない。抵抗出来なかった俺にも責任はあるし。
だけどもう、気が変になりそうだ。
「…一ノ瀬くん……っ」
早く帰って来て。
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