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③
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一ノ瀬くんの顔が離れると、俺はぎゅっと目を瞑った。それは、一ノ瀬くんに酷いことをされるって、覚悟をしたから。
一ノ瀬くんはそっと俺の頬を撫でてから、スーツを脱がし始める。首元に唇を這わせながら、ゆっくりとボタンを外した。
「っ……!」
怖くて身体が震え、涙で視界がぼやける。
目を開いた時には、ワイシャツのボタンもネクタイも外されていて、素肌が一ノ瀬くんに見える状態となっていた。
「……嫌じゃないんですか」
俺の肩からスーツを下ろす一ノ瀬くんは、目を見て聞いてくる。
嫌じゃないんですかって、そんなのは嫌に決まっている。
だけどもし、俺が触れられることを拒む事が、一ノ瀬くんが嫌だと言うなら、これで許して欲しかったから。
俺を犯すことで、一ノ瀬くんが俺を避ける理由が無くなるなら、それで良かった。
どうしても、一ノ瀬くんに嫌われたくない。傍に置いて欲しい。話し掛けて来て欲しい。俺のことを、気に掛けて欲しい。
我儘かな。
それでも、俺の人生から、一ノ瀬くんがいなくなるのは嫌だった。
そんなことを思うなんて、やっぱり可怪しくなってしまったんだと思う。
だけど、それでも、一ノ瀬くんの傍にいたい。
一ノ瀬くんのことを嫌いになんて、なれる訳がない。
「…一ノ瀬くんは、俺を襲ったら、また元の関係に戻ってくれますか……?」
泣きながら、そう問い掛ける。
お願い。俺から離れていかないで。
「は……?」
一ノ瀬くんは、瞬時俺の目を見て、それから奥歯を噛み締めた。予想外の反応だ。
てっきり、すぐに否定されるものだと思っていた。
「…どうして」
一ノ瀬くんは、苦しそうな表情で俺を見た。
「どうして俺のこと、嫌いにならないんですか」
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