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④
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「どうして俺のこと、嫌いにならないんですか」
そう言うと、佐伯さんは困ったような顔をした。
さすがに1週間も関わりを減らしたら、男性恐怖症の佐伯さんは、俺のことを嫌うと思ってた。
そしたら、もう俺の方でも佐伯さんのことは特別視しないで関わるはずだった。
それなのに、佐伯さんはまだ俺を嫌いにならずにいてくれて。それならば、もう手っ取り早く嫌われようと思ったのだ。
「嫌いに、なれないですよ……」
佐伯さんは泣く。俺が泣かせた。
だけど、俺を嫌ってくれなきゃ、泣かせた意味が無い。
「だって、俺今、佐伯さんに酷いことしようとしてるんですよ」
「大丈夫…です。それで…一ノ瀬くんが元に戻るなら、全然大丈夫です……っ」
何とか言葉を絞り出す佐伯さん。
そんな佐伯さんも愛しくて、本当に大好きだ。
でも、だからこそ、嫌ってくれないと困るんだ。
「…そういう問題じゃないんです。佐伯さんがそう言うなら、本当に犯しますよ」
無理矢理佐伯さんを辱めれば、嫌われるだろうか。
佐伯さんの腹部に指を這わせると、佐伯さんは短く声を上げ、怯えた。
「佐伯さんが嫌がっても、泣いても、止めないですよ」
「…じゃあ、俺が悪いんですか……?言ってくれないと、何にも分からないです…!」
佐伯さんは必死に声を出しているようだった。恐らく、怖さを押し殺して言っているのだろう。
大人しくしていればいいのに。
なのにどうして。
どうしてそこまで、俺に優しくしてくれるんだ。
「俺、多分このままじゃ、佐伯さんのこと傷付けますよ」
俺が佐伯さんを避けてる理由なんて、本当は言いたくなかった。
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