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目覚ましがな鳴る前に、目が覚めた。
時間は5時40分。
土曜日。一ノ瀬くんとデートの約束をしている日だった。緊張してあまり眠れなかった割には、それ程眠くはない。
誘いをもらった次の日の水曜日にいろいろな連絡を受け、俺は木曜日に服を買いに行った。さすがに手持ちの服では、何となくデート感は無かったからだ。
そして、今日はどうやら、歩いて行ける範囲で様々なところに行くらしい。
もし食事なんてことになったら、一ノ瀬くんと何を話そうか。ベッドの上で、俺はそう考える。
▽ ▽ ▽
それから2時間程が経ち、テレビでニュースを見ていると、LINEの通知音が鳴った。
(…一ノ瀬くんかな)
確認すると、送信元は案の定一ノ瀬くん。
『おはようございます。12時に佐伯さんの家に迎えに行きます。出来れば昼食を抜いてきてください。よろしくお願いします。』
相変わらずぶれない丁寧さだなぁ、とか思いながら、俺も一ノ瀬くんに合わせて真面目な文章で返す。
昼食を抜いてきてと言うことは、まずは何か食べに行くのだろうか。
(迎えか…)
何だかデートっぽくて、自然と口元がにやけてしまう。
『了解です。』
そう返すと、俺はスマホを握り締めて息を吐いた。
(楽しみだなぁ)
男性とのお出掛けで、こんなにわくわくした気持ちになるのは初めてだった。
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