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お泊り①
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「……ぅぅん……」
朝、目が覚めると、俺は薄っすらと目を開いた。
あれ、なんか布団の感じがいつもと違う?
てかここ、どこだっけ。
意識がはっきりしてくると、俺は色々と把握した。
(ああそっか、一ノ瀬くんの家か……)
そしてしっかりと目を開けると、俺の頭は完全に冴えた。
「なっ……!?」
目の前に、一ノ瀬くんの顔……?
いや、というか、目と鼻の先だ。近い、近過ぎる。
俺はほぼ反射的に、身体を起こした。
「…えぇ……」
確か昨日は、一緒に寝ましょう、と誘われてこのベッドに寝たんだ。
俺はいつも上向きで寝るから、これは一ノ瀬くんに抱き寄せられたか、自分で一ノ瀬くんに寄っていったかのどちらかだ。
どちらにしてもこっ恥ずかしい。
そう思いながら一ノ瀬くんの綺麗な寝顔を見ていると、一ノ瀬くんが寝返りを打って逆を向いた。
今何時だろう。起こした方がいいのか、休みだから寝かせていた方がいいのか。
とりえずベッドから降りようと、足を出す。
すると、
「…待ってください……」
まさに今起きたかのような弱々しい声に呼び止められた。
なんてタイミングで目を覚ますのだろうか。俺が起こしてしまったのか?
「…おはようございます」
「おはようございます……」
もしかして、一ノ瀬くんは朝に弱い?
なんだか子供みたいだな。
そして俺はどうしたらいいのか、床に足を付けたまま待っていると、一ノ瀬くんがゆっくりと起き上がった。
髪の毛は少し乱れていて、一ノ瀬くんは気怠そうに髪を掻き上げる。
「あー……」
そんな様子はいつもと違っていて、俺は思わず凝視していた。それに気が付いた一ノ瀬くんが俺を見て、フッと笑う。
「何か、変…ですか?」
「…いや、朝に弱いんだなぁ、と思いまして」
俺がそう言うと、一ノ瀬くんは何かを誤魔化すように、後ろ頭を掻いた。
「そうなんですよね」
(…また)
一ノ瀬くんの新しい一面を知ってしまった。
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