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ジャージなんて、すぐにはだける。
前のファスナーを下まで下げ、様々なところに唇を這わされた。その度に身体がビクリと反応してしまう。
「…嫌なら、言ってください」
「ひっ…ぁ、うそ……っ?」
一ノ瀬くんはズボンに手を掛けた。
でも、止めてと言えない自分がいて、訳が分かんなくなる。
「ぅ、一ノっ、く……っ」
うまく名前も呼べない。
「嫌ですか」
俺は首を横に振る。
泣いているのを見られたくなくて、両手で顔を覆った。なんで泣いているのかもよく分からない。
「…怖いですか」
怖い?そうなのかな。
でも、今は怖くないって思う。だから違うのかもしれない。
「……大丈夫、ですっ…」
その言葉に、一ノ瀬くんは分かりました、と返事し、下着も下げる。この上ない程、恥ずかしかった。
もう嫌だ、見ないで欲しい。
「…可愛い……」
「へ……?」
俺には、一ノ瀬くんが何て言ったのかは聞き取れなかった。しかし、そんなことは関係無しに一ノ瀬くんの手は、俺のはしたない部分に触れる。
そんなに優しく触られるのなんて初めてで、身体が強張って力が入った。
思わず、身体が逃げる。
「ぅ…い、一ノ瀬く……っ」
弱々しく声を出し、俺は膝を抱えて座った。
一ノ瀬くんはどうしたのかと首を傾げる。
「佐伯さん?」
何を否定したいのか、俺は額を膝に付け、首を振った。
どうしよう。どうしたらいいの?
やっぱり、怖い……のかもしれない。
男性を、受け入れられない。
申し訳なくて、ただただ涙が流れた。それに伴って肩も震えるから、泣いてることなど一ノ瀬くんに隠せない。
「ごめんな、さっ…ぃ……」
「…佐伯さんは悪くないです」
一ノ瀬くんは、そっと俺を抱き寄せた。後頭部に置いた手が、宥めるように頭を撫でる。
「やっぱり、怖いですよね」
「っ違うんです……」
嗚咽混じりに言葉を紡ぐ。
何が違うんだろう。俺は何が言いたいんだろう。
「…一ノ瀬くんが、怖い…訳じゃ無くてっ……だから…ッ」
突発的に出てきた言葉を、口にする。
「……やめないでっ、ください…」
自分から拒否するような態勢を取って何を言っているのか。
だけど、このまま引き下がるのだけは嫌だ。
何度も触れそうになるのを何度も拒んでしまったから、俺だって一ノ瀬くんの為に何かをしてあげたい。
だから、一ノ瀬くんの言葉に甘えるのは嫌だった。
怖い怖いだなどと、いつまでも言ってられない。
それは、一ノ瀬くんを困らせてしまうだけだから。
もっと、一ノ瀬くんを身近に感じたいと思ったから。
「…それは、続けていいと言うことですか」
「……ん」
俺は、泣きながら、それでもしっかりと頷いた。
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