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④
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「…大丈夫ですか」
中に何かが入ったケースを手に、一ノ瀬くんが寝室へ戻って来る。俺は膝を抱えたまま、視線だけを一ノ瀬くんに向けた。
「まだその姿勢なんですね」
そう言われたって、どうして待っていればいいのか分からない。一ノ瀬くんはベッドに上がり、そんな俺の正面に座った。
「とりあえず、そのままじゃ何も出来ないので」
一ノ瀬くんは俺の肩を掴み、優しく布団に倒す。
「いつまで膝抱えてるんですか」
「ぅぅ……」
だって、下は何も穿いていないから恥ずかしい。こうでもしないと見えてしまうから。
上のジャージ1枚しか着ていないから、どうしようようもない。どうしても、こうしないと無理だった。
「…まぁいいですけど」
一ノ瀬くんはさっきのケースを手に取ると、蓋を開ける。
「何ですか、それ……」
見たことの無いものだった。
怯え気味に問い掛けると、一ノ瀬くんは中身の透明なものを指ですくい、答える。
「これしないと、佐伯さん死んじゃいますよ」
「えっ、死ぬんですかっ…?」
「冗談ですよ」
そう言って、一ノ瀬くんが笑った。
「………」
全然面白くないよ……こっちは不安だらけなのに。
「…すみません、ただのジェルです」
まだ楽しそうに笑ってる。
一ノ瀬くんはそんな調子で、俺の後孔に触れた。
「ぁ…っ」
その瞬間、ゾワッと鳥肌が立ちそうになる。
そして、つぷ、と中に指が入ってきた。ひどい異物感だが、そこは仕方無く堪える。
「汚い、ですよっ…?」
「俺がそう思っているなら、こんなことしません」
涼しい顔をして言うから、俺は返事を返せなかった。
「ふぁっ…や、ぅ……」
意識と反して出てしまう声が嫌で、俺は布団に顔を埋めた。その際、膝を押さえていた手は自然と布団へと行ってしまうが、声を聞かれるよりはマシだ。
それに、もう見られてるし。
「ん、んっ……っ…」
一ノ瀬くんの指が、幾度となく肉壁を擦る。1本しか入っていない指は、全く痛みなど感じなかった。
寧ろ、変な感覚で……こんなの初めてだ。
「…嫌じゃないですか」
「だいじょ、ぶっ…です……っ」
「はい」
布団に篭っていた声は、ちゃんと一ノ瀬くんに聞こえていただろうか。返事をしてくれたから大丈夫かな。
「…っふ、ぅ……?」
すると、中を掻き乱していた指の本数が増える。
さっきの質問は、指を増やしてもいいか、という意味だったのだろうか。
どちらにせよ、後ろは苦しく窮屈になる。
「はぁ…っ、ぁ…ん……っ」
布団を握る手にも、強く力が入った。
こんなの、俺の知らない感覚だ。だけど、怖くはない。一ノ瀬くんに、全て預けられる。
一ノ瀬くんは指を引いては押してを繰り返した。言葉にすればそれだけなのだが、実際にはすごく変な感じで。
「…あっ、や!」
その時、ピンポイントで指の腹が擦れたところで、ひどい衝撃が走った。思わず大きな声を出してしまい、咄嗟に顔を隠す。
「ふ…、ぅぁ、あっ……」
「ここですか」
俺は一ノ瀬くんの言葉に何も反応できず、ひたすらに震えた。これは、俺が知っている感覚だ。
どうしよう。
「…声、抑えなくてもいいですよ」
「あぅっ…っや、ぁ……!」
一ノ瀬くんは、俺が大きな声を出してしまったところを一点、ずっと何回も攻めてきた。こんなの、身体が仰け反って、声なんて十分に抑え切れない。
嫌だ。こんな声、一ノ瀬くんに聞かれたくないのに。
泣く。喘ぐ。俺はもう、一ノ瀬くんにされるがままだった。
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