アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
⑥
-
シャワーを貸してもらった俺は風呂場から出て、さっきまで着ていたジャージをもう一度着る。幸い、俺が着ていたものは汚れずに済んだ。
一ノ瀬くんを探して部屋を回ると、一ノ瀬くんは寝室にいた。当然服は別のものに替えており、今は布団のシーツを外している最中で。
「…あ、佐伯さん」
「あぁ、本っ当に申し訳ありません!」
羞恥が込み上げてくると同時に申し訳無い気持ちでいっぱいになる。
頭は下げるが、本当は土下座したい思いだ。
「いや、そもそも佐伯さんを誘ったのは俺ですから。佐伯さんが謝ることはありませんよ」
それはそうだけど。あの時、俺にはどうすることもできなかったし。
でも、初めから断っていたらこんなに手間を掛けさせることもなかったはずだ。
そもそも、どうして俺は受け入れているしまったのだろう。
「…遅くなりましたけど、朝食食べますか」
「あの…」
シーツを持った一ノ瀬くんが近付いて来る。
「どうしましたか」
「…朝食、俺が作っていいですか」
朝食を作るくらい何のお詫びにもならないと思うが、一度は作ってもらったから。
「じゃあ、お願いします」
そう言って、一ノ瀬くんは笑った。
▽ ▽ ▽
一ノ瀬くんにナポリタンがいいと言われたから、その通りにナポリタンを作る。
昨日の会話を覚えていたのだろう。
(えーと…塩は……)
一ノ瀬くんの家のキッチンには多くの調味料が置いており、日頃から自炊をしていることは見て取れた。
(…これか?)
一ノ瀬くんは洗濯を、俺は朝食作りを。
昨日も一緒にいたから、なんだか同居でもしている気分だった。
それか、恋人にでもなった気分。
初めは、一ノ瀬くんと付き合うだなんて考えても漠然としていたけど、最近は結構イメージできる。
もし本当に同居をするなら、毎朝こんな感じで1日が過ぎて行くのだろうか。それなら、毎日が楽しそうだ。
(……なんて)
俺は仮の話を考えながら、沸騰したお湯にパスタを入れた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
64 / 331