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「はっ、ぁ…ん……っ」
前と同じだ。
俺は、ただひたすらに犯されて。でも、何も抵抗出来なくて。
痛いだけで、無理矢理犯されることは全く気持ち良くなんかない。
それなのに、自然と身体は反応してしまうから。
「…んぁ!ぅ、やだっ……」
されるがままに腰を打ち付けられて、出るままに喘ぐ。どうして俺ばかりが、こんな思いをしなければならないんだ。
だから、男なんて大ッ嫌いなんだよ。
気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。
みんなみんな、男なんて死んでしまえばいい。
俺だって、消えて失くなればいいんだ……
こんな思いをするくらいなら、もう死んでしまいたい。
「…一ノ瀬っ…く……」
分からないよ。
こんな時にどうして一ノ瀬くんの名前が出るのかも。
どうして一ノ瀬くんのことを考えてしまうのかも。
もう頭の中が、一ノ瀬くんでいっぱいなんだよ……
「助けて……」
絞り出すような声は涙混じりで、儚くも周囲の音に消えていく。
「…イッていいよ、陽裕さん」
洸平は幼さの含まれた声色で、耳元に囁く。
名前なんて呼んで欲しくなかった。
ただ、一ノ瀬くんに呼んでもらえればそれだけで良かったのに。いつからこんなに我儘になってしまったのだろう。
助けて。今すぐに会いたい。会って、安心したい。
「…あっ、も、やだ…!出したく、ないっ…」
余計に速く出し入れされる刺激に、これで何度目かも分からない熱を吐き出す。
怠さと疲労でその度に意識がボーっとするが、休みなんて一切くれない。
もう精液だって、回数を増す毎にほとんど出なくなってくる。一度でこんなに何度も達するなんて初めてだった。
「…なぁ陽裕さぁ」
すると、見ていただけの神代が突然声を発す。
だが頭は朦朧として、神代の言葉には集中出来なかった。
その間にも次の男の性器が無理矢理押し入ってくる。
「なっ、ぁ……んぅ…!」
「お前を開放したら警察に行く?」
まるでこっちの状況など分かっていないように笑いながら話す神代。俺は真逆に、答える余裕も何も無かった。
「それでも別にいいんだけどさぁ?」
すると神代は、パーカーのポケットから1枚の写真を取り出し、俺に見せてくる。俺は何とか頭を持ち上げ、それに視線を向けた。
「一ノ瀬遥斗」
「なんでっ…」
俺は目を見開いた。
そこに写っていたのは、紛れもない一ノ瀬くんで。出勤途中と思われる、明らかに盗撮されたような写真だった。
訳を問いただそうとするも、後ろから腰を掴まれて逃げ場を失う。
「…ぅあ、あ…やっ……!」
「こいつさぁ、お前と仲いいよねぇ。傷付けたら怒る?」
(…やめろ……)
「もし陽裕が警察に行くって言うなら、こいつにも同じ目に遭わせるからね?」
(それだけは、やめて……)
俺のせいで一ノ瀬くんが傷付くなんて嫌だ。
こんなことをされるのは俺だけで十分だから。
俺は何も言葉を返せず、押し黙った。
俺が、これを秘密にしていればいいだけ。言わなければ、一ノ瀬くんに迷惑を掛けることも無い。
これだけは、一ノ瀬くんに助けを求めちゃ駄目なんだ。
多分、言ってしまったら一ノ瀬くんは俺を助けてくれるだろうけど、それでは意味が無い。
3日間。
何も初めてじゃない。
(…怖い……)
口をつきそうになる言葉を何とか噛み殺し、俺はベッドのシーツを強く握り締めた。
ごめんなさい、一ノ瀬くん。
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