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大人の玩具だと、神代は言った。
"ローター"。"バイブ"。
俺の知らない言葉ばかりが男たちの口から飛んできて、俺の不安は一層強まる。
「……何、するんですか……」
震えた声しか出なくて、俺は洸平から距離を取った。既に、何かされそうで怖い。
「んー、お楽しみですよー」
すると、洸平はひとりの男に、さっきの引き出しから何かを持ってくるように指示する。
また訳の分からない言葉で、何を持って来いと言ったのかまでは頭に入っていなかった。
(…何されるんだろう……)
恐怖に煽られて、俺はもう声すら出なくなった。ただ身体を震わせているだけの人形みたいに固まる。
「…これでいい?」
「あぁ、十分十分」
洸平が受け取ったものは、ピンク色をした機械で。
楕円形のものが付いているものだった。
(何あれ……)
何、何、何。
分からないことばかりで身構えた。
どうやら昨日の通りという訳にはいかないらしく、洸平はチラチラとその機械を俺に見せつける。
その表情は本当に子供みたいで、なんとも楽しそうな目をしていた。
「…楽しいことしましょう?」
そう洸平の口が動くが、俺の耳には程遠く届かない。まるで水中に沈んだみたいだった。
(……嫌だ)
逃げ出したい気持ちでいっぱいだったが、俺が逃げたら被害は一ノ瀬くんへと向かってしまう。
だから俺はグッと堪えて、スーツを握り締めた。
俺には、一ノ瀬くんを傷付けていい権利なんてない。あんなに優しくしてくれる人を傷付けてどうするんだ。
俺は、一ノ瀬くんを大切にしたい。
一ノ瀬くんに好かれたいなんて思うのは図々しいだろうか。嫌われたくない。
俺が逃げてしまえば、一ノ瀬くんに嫌われる。
男たちに犯されようと、一ノ瀬くんに好かれていたいと思った。
(…変……)
やっぱり、俺の脳内は変になってしまったみたいだ。
「じゃあ、服脱いでくださーい」
洸平の言葉に思考を停止し、俺は震える身体で服に手を掛けた。
(一ノ瀬くんに嫌われるくらいなら……)
泣きたいのも我慢して、俺はスーツを脱ぎ始めた。
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