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打ち合わせの日①
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翌日も一ノ瀬くんと共に出勤した。勿論、電車には乗らなかった。
(打ち合わせか……)
腕時計を確認して、俺はそんなことを思う。
他社での打ち合わせは、午前10時から始まる為、まだ少し時間はあった。
俺は持って行く資料やら何やらを、不備が無いか確認する。
(……大丈夫だな)
初対面の人との関わりは苦手だったから、正直憂鬱な気分だ。
今日ばかりは、一ノ瀬くんや早坂さんに頼ってしまうのも仕方が無いかもしれない。
今更ながら、本当に、どうして俺なんかがチームリーダーなんて任されたのだろうと思ってしまう。
(9時だ……)
俺は何度も時間を確認し、その度に憂鬱さは増した。
▽ ▽ ▽
打ち合わせの開始時間20分前になり、会議室には数人の社員が入って来る。この会社の人たちだ。
「おはようございます」
「おはようございます」
俺は即座に立ち上がり、頭を下げた。
そして名刺を取り出そうとするも、その前に握手を求められる。
「始めまして。羽田と申します」
その女性はまだ20代と思われ、とても物腰柔らかそうな人だった。
名刺を渡す機会を失った俺は、男性じゃなかったので、素直に羽田さんの手を握り返した。
「こちらこそ、始めまして。佐伯と申します。本日はよろしくお願い致します」
「はい、よろしくお願いします」
そうやって、羽田さんは一人ひとり丁寧に握手をしていった。
部屋には、企画部から3人、開発部から5人、依頼をしていただいたこの会社から3人の、計11人が集まる。
今日は企画部で決めた内容についての意見を言い合ったりで、コンセプトやら大まかな商品企画内容を決定したら、後は開発部に任せる予定だ。
そうしたらもう企画部は、開発部が不明な点を手助けするくらいしか仕事は残らない。
「……えー皆様、本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます」
すると、この会社の社員の1人がおもむろに口を開いた。全員の視線がそちらに向く。
どうやら、早速打ち合わせが始まるようだった。
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