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追いかけてくる①
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結局、一ノ瀬くんとは距離を置くこと以上にいい考えも浮かばず、俺は大して眠れないまま朝を迎えた。
今日で答えを出すと言ってしまったから、今更もっと時間が欲しいだなんて言えない。
それに、後いくら時間があったところで、俺の答えは変わらないだろうから。
「はぁ……」
会社が終わったら、もう一ノ瀬くんの家に戻らなければならない。
正直、憂鬱だった。
これから一ノ瀬くんとの同居が再開されるというのに、自分の思いを上手く隠せる自信が無い。
仕方無いから、神代のことはもう大丈夫だと言って一ノ瀬くんの家は出よう。
そう思った。
(また勝手だな……)
やっぱりそこは、一ノ瀬くんの許可をもらってからにするのがいいだろうか。
一方的なことばかりを、一ノ瀬くんに要求していられない。
会社で一ノ瀬くんに会うのにも気乗りしなくて、俺は再び溜息を吐いた。
▽ ▽ ▽
「……あーぁ、こいつにも飽きたなぁ」
吐き捨てるように言い、真下の男を見下ろすのは神代捺。
まるで女のような顔をしたその男は、大学時代の神代の下級生だった。
(…こいつは駄目だ)
標的が見つからなかった時、たまたま近くにいたこいつを連れ去らって来たのだが、これは相当なハズレだ。
どれだけ酷いことをしても、もっともっと、とねだってきやがる。
「気持ち悪ぃ……」
これはもう、開放してやろう。
こんなものを望んでいる訳じゃ無いんだよなぁ。
嫌がる顔とか、その態度とかが見たいんだ。
そうなると、男性恐怖症になんかなった陽裕は、最高傑作だった。
あの怯える顔が、もう言葉に出来ない程に可愛いんだよ。
「……やっぱ」
陽裕じゃないと駄目みたいだわ。
また、壊してやりたくなる。
「ははっ……」
そして、神代捺は、ゆっくりと口角を持ち上げた。
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