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2度目の射精。
また、白濁が散る。
「…一ノ、瀬くっ…も、無理……!」
どうして。どうして。どうして。
何度達したって、下腹部は収まらない。
出したら出した分だけ、また何事も無かったかのように元に戻る。
顔は熱があるみたいに赤く、涙でぐちゃぐちゃだ。
全然、楽になんてならない。
「ほんと、すごい効果ありますね」
一ノ瀬くんだって飲んだはずなのに。
俺だけがこんなことになる。
ズボンは、半分くらい脱げた状態で。
何となく、俺が淫乱みたいで恥ずかしかった。
「…王様ゲームの時」
するとふと、一ノ瀬くんが僅かに沈んだ声を出した。俺は、一ノ瀬くんの胸に押し付けていた頭を上げる。
どうしたのかと虚ろな目で見詰めると、また優しくキスをされて。
それは、触れるだけの軽いキスだった。
「佐伯さんがキスされたり、抱き締められたりしたの、結構悔しかったです」
一ノ瀬くんは、言いながら冗談っぽく笑う。
「なんで俺じゃないんだろうなぁ…って」
(そんなの……)
そんなのは俺だって同じだ。
キスをされたり、抱き締められて嬉しいと感じるのは、一ノ瀬くん1人だけなんだから。
多分、一ノ瀬くんのそれは、嫉妬なのだろう。
俺が別の人に触れられていることに、妬いてくれている。
それだけで、なんだか嬉しくて。
一ノ瀬くんは、ぎゅっと俺を抱き締めてから、俺の呼吸を整えるように背中を何度も優しく叩く。
「早坂さんにされた分のキス、今取り返してもいいですか」
そう聞かれたら、嫌だなんて言える訳がない。
俺は、素直に首を縦に動かした。
一ノ瀬くんからもらうキスは、嫌いじゃない。
今はもう、どうなったっていい。
早く、この感覚から開放されたかった。
「…はっ……ん…」
そして重なった唇。
さっきよりも激しいキスで。
どろどろに溶かされそうで。
手順なんか飛ばして、初めから痛いくらいに口付けを交わす。
全然優しくなんかないけど、それでも良かった。
その方が、何もかも一ノ瀬くんで満たされる。
(……苦しい)
しかし、怖気付いて身体が逃げてしまうのは仕方が無かった。
一ノ瀬くんはそれを追いかけて来て、舌が舌を誘う。ただただ熱くて、全身が震えた。
「…っん…」
鼻から抜けるような声ばかり。
俺は、必死になって一ノ瀬くんの服を掴んで離さなかった。濡れた睫毛が揺れる。
(熱……)
一ノ瀬くんに与えられるもの全てが刺激に変わって、そのいきり立つものは、酷く疼く。
時折、一ノ瀬くんの服に擦れては、ピクンと身体を痺れさせた。
全く、逃げる暇も無い。
「ぁっ…は、ぅ……」
キスとは別に漏れた声は、全部舐め取られたみたいで。息吐く間も無い。
俺は喘ぐようにして、一ノ瀬くんについて行くことで精一杯だった。
嬉しいとか、幸せだとか、そんなものは後にして、熱だけが身体に残される。
それでも、俺は一ノ瀬くんに求められているのだと、それだけはすごく感じた。
「はっ……ぁ…」
一ノ瀬くんの吐息も少し荒くて、余裕無いんだな、なんて、俺で必死になる一ノ瀬くんが愛おしくなって。
2人だけの甘美な世界で。
俺の視界に映るのは一ノ瀬くんだけだ。
一ノ瀬くん以外、何もいらない。
本当に、これも媚薬のせいにしていいのか、俺はそんなことを思ったりした。
「……佐伯さん…」
「ひ、ぁ…っ…待って……!」
すると、突然一ノ瀬くんの手が俺の服の中に滑りこんできて。胸元を弄られると、俺は抵抗した。
「やだ!離、してっ…」
一ノ瀬くんの手首を掴んでみても、さっきまでのキスが災いしてか何なのか、全く力が入らない。
その間にも一ノ瀬くんの長い指は胸を弄り、俺はビクビクと痙攣したように顎を持ち上げた。
いきなりのことで、口の端からは唾液が伝ったまま。
「あ、やだっ…ぁ……っ」
さらに、下半身にまで手を添えられては、とても身体が持ちそうにはなかった。
既に2度も吐精していた俺は、少しの刺激でも倦怠感が酷くて。意識が遠のきそうになる。
「…媚薬、効いているのかもしれないですね。……もっとたくさん、佐伯さんに触れたい」
(嘘だ……)
媚薬なんて、効いている訳がない。
こんなに一ノ瀬くんが触れてくるのは、媚薬を飲んだからじゃない。
一ノ瀬くんの、本当の気持ちなのだろう。
抗うことにも、疲れた。
「痛いのは、嫌です……!」
もういいや。
全部、一ノ瀬くんに任せてしまっても。
「…分かりました」
「っ……!」
どうせ止めてくれないなら、抵抗するだけ体力を削るだけだと、俺は大人しく一ノ瀬くんに身体を預けて与えられるままに快楽を受け取った。
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