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脱出と逃走。5
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『お父さん…?
どうして泣いているの…??』
僕は手に持っていたお皿とスプーンをおぼんにのせ、
ただただ静かに涙を流す父の手を上から握った。
「ごめんな…。
本当に申し訳ないことをした…。
謝っても許される事じゃないだろうけど。
これだけは言わせて欲しい。
俺はお前を、白兎を、愛しているよ。
お前は俺の大事な息子だ。」
初めてだった。
お父さんがこんなに話をしてくれるのも。
名前を呼んでくれたのも。
優しく微笑みかけてくれたのも。
1つ1つ、全てが嬉しかった。
暴力に関してはまだ何も言えないけど、
お父さんの〔愛している〕という言葉だけは
信じたいと思った。
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