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3.思い掛けない存在-16
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目の前の獲物を逃さない。そんな事を思っているような目で見詰められ、ユキジは早くここから逃げ出したくなる。
「あんたはオレの物だ」
「違う……」
「違う? そうか。それもそうだよな。あんた、もう、男を知ってる身体だもんな」
「!」
「初めてにしては柔らかすぎる」
そう言って、ユキジのア◯ルを弄った指を見せ付けるように動かし、ニタっと笑う。
「何度も男を咥えこんでいる事くらい、弄れば分かる」
その言葉に、赤面するユキジ。
なんてデリカシーの無い男だろうか。
こんなに最低は男と出会ったのは初めてだ。
ユキジは怒りにフルフルとその小さな身体を震わせ、唇をぎゅっと噛んだ。それを見て、ラウルは楽しそうに話しを続ける。
「でも、遊び慣れてるわけでもない。やっぱり、恋人はあの男か……」
「え……?」
「トウヤ イッセイ」
「ちっ、違う!」
なぜ分かったのだろうか。ユキジは壱成に迷惑を掛けたくなくて、必死に否定した。
「違う? あんた見てて直ぐに分かったよ。それに、あの男のあんたを見詰める視線も一緒だった。違うわけがない」
「違う! 壱成じゃない!」
「なら、明日、あの男に今あった事を全て話して良いのか?」
「っ……」
「オレと寝たって事にして、話しを大きくしてやっても良い」
「そんな……」
そんな事を言われたら壱成に嫌われてしまう。
せっかく手に入れた幸せを、手放す事になってしまう。そんな事、絶対に嫌だった。
「僕は……どうしたらいいの……?」
壱成には、絶対に迷惑を掛けたくはない。だから、ユキジは自分の心に鍵を掛けた。
そして、演じる力を目覚めさせる。演技は得意だ。ドラマの延長戦だと考えればいい。
「オレの物になれ。拒絶、否定、口ごたえは一切認めない。その可愛い顔と身体でオレを満足させろ。それができたら、撮影が終わった瞬間、解放してやるよ」
「っ……」
「返事は?」
「……はい」
ユキジはそう返事をし、下を向いた。そして、ラウルが部屋から出たのをその足音で分かると無言で身なりを整え、数分後、ユキジもその部屋を後にした。
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