アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1.初恋は突然に……-1
-
昔から人が苦手だった。
なぜなら、皆、奇妙な物を見るような目で見てくるからだ。
『ねぇねぇ、なんで髪は黒いのに目は青いの?』
そう聞かれるのは日常茶飯事で、その返答をする事なく、来宮ユキジ(クルミヤ ユキジ)は逃げるように離れていた。
自分だって、なんでこんな目で産まれたのか分からない。ただ言えるのは、父がハーフの人間だったらしいという事だけ。
ユキジの両親はユキジが産まれてすぐに離婚していて、ユキジは母方の祖母に預けられ、育てられた。
母は離婚後、直ぐに再婚し、その再婚を機にユキジの元には一度も来なくなった。
その当時、まだ幼かったユキジはどうして母親が自分に会いに来ないのか不思議だった。
来なくなる前、二ヶ月に一回会うか会わないかのペースだったけれど、ユキジは母親が好きだったからだ。
けれど、母親はユキジの事は好きではなかった。それを知ったのは、ユキジが高熱で魘されている時の事。祖母が母親と電話しているのを聞いた時の事だ。
温和な祖母が電話相手に怒っていた。そして、その会話で知ってしまう。
母親がユキジを捨てた理由は、青い目が父親に似ているからだという事を……。
ユキジはその夜、布団で一人泣いた。
泣いて、たくさん泣いて、瞳の色が青から赤に変わるくらい泣いた。
でも、次の日には赤らんだ青色の瞳は元の青に戻り、黒に変わる願いは叶わなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 137