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1.初恋は突然に……-7
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でも、目の前の男はそんな事気にしていなかった。
ユキジの礼など、求めていなかった。でもそれは、その男がどれだけ良い人かを醸し出していて、尚更、ユキジはドキドキしてしまう。
「あ、その制服西高校だよな」
「え……? あ、はっ、はい……」
突然、制服を指摘されユキジはコクッと大きく頷いた。よく見ると、相手も制服だった。しかも学ラン。
なぜ、気付かなかったのだろうか。
「俺、東高。結構近いな」
男にそう言われ、ユキジはコクッと小さく頷く。
「何年? 俺、3年」
「ぼ、僕も……」
そう質問され、ユキジは小声でそう答えた。
その返答を聞き、男は目を輝かせた。
「あ、もしかして、俺と目的一緒?」
「え……?」
「あれ? 違うのか? この目の前にいるって事はそうなのかなって思ったんだが」
そう言われ、ユキジは男が差す方を見る。
そこは、専門学校だった。
「俺、ここの声優学科に進学するつもりなんだ」
「声優……?」
男の口から〝声優〟と出て、ユキジは驚く。だって、こんなかっこいい人が声優を選ぶなんてと思いもしない。
どちらかというと、俳優や、芸能界向きの顔をしている。そう思うほど、男は全てが整っていた。
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