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1.初恋は突然に……-11
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誰かを特別に好きになるなんて、今まで想像した事はなかった。
でも、祝と出会ってユキジは変わった。
あんなに人と関わりたくなかったのに、祝にだけは嫌われたくない。側にいたいと思うようになった。
これは、ほんと、すごい事。
「ほ、祝は……相手が僕でどう思った?」
「どうって? 正直……やりにくい」
「えぇ!」
「嘘。緊張する」
緊張する。そう言われ、ユキジはドキドキしてしまう。もしかしたら、祝はユキジを意識してくれているかもしれない。そう思ったからだ。
「緊張って……?」
「同期でこう言うの初めてだからな。しかも、相手がお前だろ? 調子狂うっつーの。息遣いとか合わせないといけないからな」
「そ、そうだよね……」
息遣いと言われ、ユキジは赤面する。そうだ。そんな事もするのだと、今更ながら思う。
「ちゃんと、このジャンルのCD聴いとかないと本番苦戦するからな」
そう言われ、ユキジはハッとなる。予習しとかないと本番リテイクを繰り返してしまう。それだけは、避けたい。
「そ、そうだよね。……祝はさ、初めてこのジャンルをする時、何聞いたの?」
「まぁ、ベテランの先輩方のが多かったかな。あと、ここ最近に売り出してきた年が近い人とか、評判がいい奴とか。あと、会社にあるの何枚か借りて聴いたよ」
「合計で何枚くらい?」
「20枚」
「20枚!」
さすが努力家の祝。予習する枚数が他とは違う。
「最初聞いた時は、この俺も不安になった……」
「そ、そんなに?」
「あぁ。俺は攻めしかした事ないが、相手との呼吸や息遣いをリードしながら相手の声に合わせないといけなくて……。でも、初めての相手がベテランの大津さんで助かった」
「攻め?」
「お前、そっから? BLには、受けと攻めって括りがあって、今回俺がするのは抱く側の攻め。お前は抱かれる側だから受けって言うんだ」
「そ、そうなんだ!」
まさか、そんな言葉があるとは。ユキジは初めて聞く単語に更にドキドキしてしまう。
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