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4.冬椰壱成と言う男-4
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そんな祝を見て、少しだけ申し訳なくなったユキジは、自身もスマホに目を移した。すると、液晶画面にメッセージが届いていたのに気付いた。
それを開くと、まさかの壱成からでユキジは驚いた。
「え!」
「! どっ、どうした?」
その驚いた声を聞き、祝が心配そうにこっちに目を向けてくれた。そんな祝にユキジは大丈夫だと告げ、またスマホを見た。
(な、なんであの人僕のメルアド知ってんの? 誰かに聞いたのかな?)
どうして壱成が知っているのか。ユキジには分からなくて困惑した。そして、そのメッセージを読み、また更に困惑してしまうのだった。
[今日、俺の家に来い。住所は〇〇〇……]
なんて事が書いてあったからだ。まさか、家に呼ばれるなんて思ってもいなかったユキジはその場で動揺する。
「お前、顔色悪いぞ……。本当に大丈夫か?」
「え? あっ、大丈夫! 大丈夫!」
そんなユキジを祝は心配した顔で見ていた。ユキジはすぐに手を振り、大丈夫と告げ、笑みを向ける。その笑みを見て信じてくれたのか、祝はまた液晶へと視線を移した。
(返信しないほうが……)
いいだろう。そう思った瞬間。また、メールの受信音が響いた。
[見てんだろ? 絶対来いよ]
なんて短文で書かれていた。ユキジはそれを見て慌ててそのメールの返信に、ハイ、とだけ送る。そして、送ってから後悔する。
(どうしよう……)
隣にいる祝に相談すべきか。いや、相談しても頭ごなしに行くなと言うだけだ。言わない方がいい。
これから会わない人間なら行かなくても平気なのに、共演している最中でそんな事はできない。しかも、相手は人気アイドルのリーダーだ。顔も広いだろう。
声優業界にも知り合いがいるかもしれない。そう思ったら、行きたくないと言ってる場合ではないと思えた。
ユキジは収録が終わると祝の誘いも断り、走ってメールに書かれた住所の場所へと行く。
そこは、おっきな高層マンションで、ユキジは驚いた。
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