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4.冬椰壱成と言う男-6
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二人は付き合っているのだ。でも、そんな雰囲気になった途端にユキジが来てしまい、女優が怒ってしまったようだ。それもそうだとユキジは思う。
これから楽しもうとしていた最中に、邪魔者が来たのだ。女優が怒るのも無理はない。
「ぼ、僕帰りま……」
「お前は帰らなくていい」
「え……?」
「帰るのはお前だ」
「ちょっ、それどういう事よ! 私、忙しい中来たのよ!? なのに、こんな子供を取るつもり?」
「あぁ。それに、俺はお前の事を呼んだ記憶はない。勝手に来たのはお前だ」
「そ、それは……」
「一回寝たくらいで彼女面かよ……」
「なによ! わ、私の事好きなんでしょ!」
「好き? 誰が誰を? お前を好きなんて言った覚えはない」
壱成は憤りを見せる顔で女優を見詰め、そう言っていた。その顔を見て、女優は苦虫を噛み潰したような顔を見せ、赤いヒールを履く。
「あっ、そう。分かったわよ! もう来ないはこんな所!」
「はいはい。帰れ帰れ」
女優は、怒りに顔を真っ赤に染めながら、ユキジの肩をドンっと突き飛ばし、ヒールをカツカツ音を立てながらユキジが来た道を進んで行った。
「あ、僕も帰……」
「さねーよ」
「!」
ユキジもその流れで帰ろうとすると、ガシッと腕を掴まれて中へと強引に引きずり込まれた。
有無も聞かぬ強さだ。
壱成はズルズルか引きずりながらユキジを中へと連れて行くと、高級そうなソファーにドサっと座らせた。そして、その横に壱成も座り、50インチくらいの大きなテレビを点け、さっきから飲んでいたらしいワインをまた飲み始めていた。ユキジの前にもワインを注いで置いてくれたが、ユキジは口を付けず、さっきの女優について聞く。
「い、今の人よかったんですか!? ぼ、僕タイミング悪かったんじゃ……」
「タイミング? 良かったに決まってんじゃん。あのままあの痴女がいたら、勝手に脱ぎだして乗っかって来そうだったからな。助かった」
「た、助かったって……」
そう言われてもユキジは困る。壱成は助かったかもしれないが、ユキジはあの女優に誤解されたまま恨まれ続ける事になる。
もう会う事はないと思うけれど、怖い。
「か、彼女じゃないんですか?」
「彼女? 俺には彼女なんていねーよ。男も女もただヤるだけの相手」
「そ、そんな!」
「最低だって言いたいんだろ? あぁ、俺は最低だよ。秋幸以外は全て同じにしか見えないからな」
「そ、それって……秋幸さんの代わりをあの女の人とかにさせてるって事?」
「あぁ。頭の中では秋幸に代えて抱いてやってる」
「あんた、最低すぎだろ!」
「お前もそうじゃないのか?」
「え……?」
「お前だって、あの男だと思って抱かれたりするだろ」
「ぼっ、僕は!」
そんな事しない。と、直ぐには言えなかった。
誰かと性行為をした事はないユキジだったけれど、祝の出演したドラマCDを使って自精した事はあった。
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