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6.気になりだしたら止まらない-5
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好きだとその目が言っているように見えるのは、欲目だろうか。
「なぁ、俺の物になれよ」
「え……?」
突然の言葉に、ユキジは間抜けな顔を壱成に向ける。すると、壱成がユキジの鼻を摘んだ。
「ふぁひふる……」
「あんたの事が好きだ……」
「ふぇ……?」
「その顔も、その声も……その性格も……」
壱成はそう言うと、おでこから順に優しくユキジにキスを落とした。
その急な発言と行動に、ユキジは声が出ない。
「俺の物にしたい」
「!」
でも、その言葉を聞き目が醒める。違う。そう思った。
「だっ、駄目です!」
だって、壱成が好きなのは秋幸だ。今まで壱成は秋幸の代わりとして他の人間を抱いてきた。
身代わりになんてされたくはない。
「そんなにアイツの方が良いのか? まだ好きなのか?」
「え……?」
「秀野にまだ未練があるから、駄目なのか?」
「そ、それは……」
違う。そう、すぐに思った。
祝が好きだから壱成とはできないではなく、壱成が秋幸を好きだからできないのだ。
何故、分かってくれない。
「それでも良い。あんな奴、俺が忘れさせてやる」
「壱成く……っん……」
そう言って、壱成が無理矢理ユキジを犯そうとした。それを、またユキジは持てる力を全て出して壱成の胸板を押した。
壱成は誤解している。それを、訂正しないと駄目だと思った。
「ち……違う……違うよ……」
「違う? 違うって何が?」
「何がって……」
ユキジは涙目で壱成を見詰める。
喉が徐々に熱くなって来た。そう思った瞬間、涙が溢れた。
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