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寝室に入った西島は眠る碧にそっと近づく。
スヤスヤと寝息を立てて眠る碧の顔に手を伸ばす。
プニプニほっぺ‥‥‥西島は顔を近付け、耳元で
「佐藤、起きなさい。朝だぞ」
と言った。
その光景を見ていたい諭吉は思いっきりジャンプ!
ドスンと西島の背中を蹴った。
「なんば、普通に起こしよるとや!」
床に着地した諭吉は抗議。
「あ、当たり前だろ!遅刻する」
「はあ?ニッシーはほんにヘタレや!」
「う、うるさい!ヘタレ言うな!仕事なんだから仕方ないだろ」
西島は諭吉の身体を掴み持ち上げて抗議。
「何回でも言うばい!ヘタレ王子!」
「諭吉!どこでそんな言葉覚えてくるんだ!」
「どこでんよかやろ!ヘタレ王子」
ヘタレ王子にカチンとくる西島。
西島だって、碧に手を出したい。
そう!仕事休んで1日中、碧と一緒に居たい。
でも、そうはいかない。
言い返そうとした時に、
「部長‥‥‥‥諭吉と遊んでいるんですか?」
と碧の声がした。
彼の方を見るとしっかりと目を開けて西島と諭吉を見ている。
「お、おはよう。」
まさか猫と喧嘩してたなんて言えない。笑って誤魔化す。
◆◆◆◆◆◆
碧との朝食。
ニコニコして朝食をとる碧が可愛くてたまらない。
そして、昨夜のキスを思い出す。
あの可愛い唇に何度も触れた。
夢じゃないよな?俺の妄想じゃないよな?
佐藤はキスを嫌がらなかった。
むしろ、手を自分に回していた‥‥‥自惚れじゃないよな?
佐藤は俺が好き。
俺も佐藤が好き。
やばい‥‥‥顔がニヤける。
自分をじっと見ている西島の視線に気付いた碧。
ぶ、部長‥‥‥僕の顔、何かついてるのかな?
なんて、西島を見つめ返す。
そして、唇に目がいってしまった。
部長とキス‥‥‥したよね?
部長は僕にたくさんキスをしてくれた。
温かかったな。
また、したいなあキス。
碧の視線に西島も気付く。
目が互いに合って、つい‥‥照れ笑いをした。
そして、西島は碧の顔に手を伸ばす。
ドキッとする碧。もしかして、心を読まれたかな?って期待する。
「佐藤、ほっぺにご飯粒ついているよ」
が、現実はそんなもの。
西島が手を伸ばしたのはご飯粒がついていたから。
自分が考えていた事に恥ずかしくって俯く碧。
「佐藤」
名前を呼ばれ顔を上げた。
西島の顔が直ぐ近くにあり、顔を上げると唇が軽く触れた。
チュ、
一瞬だった。
「唇にケチャップついてた」
ニコっと笑う西島。
碧は、嬉しくて、わざとケチャップをつけようかとマジで考えたのだった。
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