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にゃんこ♪
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……、さとう。
……さとう。こら、
「佐藤聞いてるのか!」
大きな声にハッとなり、顔を上げると、
目を釣り上げて怒っている上司が居た。
まさか聞いてませんでした。なんて素直に返す事も出来ずに、
「はい」
と小さく返事をした。
その返事に、
「もういい。戻れ」
と露骨にため息をつかれた。
「はい」
そう返事をして自分の席に戻ったのは今年入社したばかりの新入社員の佐藤碧。
露骨にため息をついたのは西島部長。
部長といっても禿でデブの中年オッサンとかではなく、
年齢不詳な顔つきのイケメンだから質が悪い。
多少、欠点があってくれた方が周りのスタッフのフォローが入るから。
特に碧は今年入社した中で一番彼に叱られている。
初めは皆、
大丈夫?とか、
あんなに怒らなくても良いのにね、とか、
それなりに声をかけて慰めてくれたのに…、
今は、
またか。なんて感じな空気。
碧は席につくと部長をじぃ~と見つめた。
僕、怒られてばかりだなあ。
なんて、飽きもせずに碧は落ち込む。
僕だけ高卒だもんなあ。
碧のコンプレックスの1つ。
新入社員で高卒は碧だけ。
高卒でも社員で採ってくれる会社なんだから頑張らないと……って意気込んでいるのに空回り。
あああ、
都会に負けそう。
そして、落ち込む度に毎回、携帯の写メを見て元気づける。
碧が実家で飼っている猫の諭吉の写真。
ーーゆきっつぁん、都会に負けそうだよ。ーーー
なんて、心で弱音を吐く。
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