アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
うひゃあーっ!
思わず身構えてしまう碧。
つい、さっきまで怒鳴っていた上司が目の前に居るんだから身構える。
「お前、握り飯1つって午後からの仕事、腹減って出来ないだろ」
西島はサンドイッチをズズッとさらに近付けるが碧は微妙に後ろに下がる。
警戒しているような碧。
毎日、怒鳴ればこんな風に身構えて警戒するよな?と西島も感じたが、そんな碧の態度が何かと被った。
あー、何だっけ?
碧をじぃ~っと見る。
佐々木がうるさいくらいに可愛い可愛いと言うのが分かる。
確かに佐藤碧は可愛い。
小柄で色白で、目はめちゃめちゃ二重だし、
女子社員がいつだったか、
「くっきり二重いいなあ~アイプチ要らずだよね。睫毛もさ、ツケマ要らずだよね碧ちゃん」
と碧を囲んで騒いでいた。
つーか、お前らは何しに会社来てるんだよ?と思った。
そんな女子社員の中で碧は一番可愛かった。
まるで小動物………、
あっ、そうか子猫だ。
フワフワな子猫。
人に馴れてない子猫みたいだ。
公園で見かける野良の子猫。
親とはぐれたのかボッチで公園の茂みに身を潜ませていて、誰にも見つからないように息を潜めていた子猫。
近寄ると、威嚇の声は上げないものの、ビクビクして、大きな瞳で自分を見ていた。
一歩近付くと一歩下がる。
そんな一定の距離を保つものの逃げない。
腹減ってんじゃないかと子猫用の餌を持ってきて与えるが近くにいたら決して食べようとしないから、離れた場所で見ていると食べてくれた。
まさにそんな感じな今の距離。
「食べろ」
碧にそう言うとサンドイッチを置いてその場を離れる。
碧は何か言いたげだったが、西島は振り返らなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 639