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西島部長ーっ!
突然現れて目の前にサンドイッチを置いて、去って行った。
食べろ。
それだけ言って。
確かにオニギリ1つじゃ足りなかった。
食べろって言ったんだから、いいのかな?
せっかく、くれたんだもんね?
ありがとうございます。って言えなかった。
ううっ、僕って本当に……情けなさすぎ!
落ち込みながらも碧はサンドイッチの袋を開けてモソモソと食べ出す。
あ~、良かった。食べてる。
ちょっと離れた場所から西島は碧を見ていた。
やっぱ離れると食べる所も似てる。
「西島く~ん、餌付けかい?俺の碧ちゃんに」
後ろから佐々木に肩を掴まれた。
「お~食べてる姿も可愛いなあ碧ちゃん」
ニヤニヤする佐々木の目の位置に腕をやると、
「戻るぞ変態」
と歩き出す。
*****
お礼言おうと思ったのに。
碧が戻ると西島は会議に出席していて不在だった。
「ねえねえ碧ちゃん、食堂で部長と話してたよね?まさか怒られてた?」
真向かいの席の女子社員が話し掛けてきた。
「違います」
慌てて否定。
「そっかー、心配してたんだよ?」
「ありがとうございます」
頭をペコリと下げる。
「いやん、碧ちゃん可愛い」
と女子社員はニコッと笑う。
「碧ちゃーん、今日珍しく食堂居たよね?しかも部長とー」
と別の女子社員が数人来た。
「あ、碧ちゃん別に怒られてなかったみたいよ」
真向かいの女子社員が碧の代わりに答える。
「そっかー良かった。ね、碧ちゃん……時間あるよね?」
ニコッと笑う女子社員に、碧はビクッとなった。
碧は昼休みは女子社員を避けるように隠れて昼食を取っていた。
理由は、
「碧ちゃんメイクさせて」
だった。
女子社員は何かと碧にメイクをしたがるのだ。
新色の口紅やアイシャドウが出た日には追い掛けまわされる。
原因は新入社員歓迎会で女装した碧が可愛かったから。
女装なんてするもんじゃないとその時思った。
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