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西島は餌を置くと猫から離れた。
距離が少し離れた瞬間に猫は餌を食べている。
あの子が食べてる姿、初めて見た。
モソモソとゆっくり食べる猫。
凄く可愛い。
そして、食べている猫を見ている西島の顔は碧が見た事もない優しい笑顔。
あんな顔するんだ。
いいなあ。
西島部長…。
猫が食べ終わるのをずっと見ていた西島。
そんな西島と猫を見ている碧。
猫は食べ終わると、ちらりと西島を見て、茂みへと消えて行った。
何か、お礼言った感じだったな猫。
なんて、碧は思った。
「また明日なにゃんこ。」
西島は茂みに消えた猫にそう言って空の缶を片付け、彼はまたカツカツと足音をさせながら帰って行く。
部長の家ってどこだろう。
後ろ姿を見ていると、碧のアパートを通り過ぎて更に歩いていく。
確か、この先に凄く高そうなマンションがあった。
まさか、そこ?
気付くと碧は後を付けていた。
案の定、部長は高いマンションへと入って行った。
知らなかった。
こんな近くに住んでいたなんて。
通勤とか、会わなかったな。
会わないのは碧が早めに会社へ行くからだ。
何かあったら?とか有りもしない心配をして2本早い電車に乗っていた。
歩いて帰って来たんだから電車だよね?
あ、明日……時間、遅らせようかな?なんて碧は考えながら自分のアパートに戻る。
シャワーを浴びて、カップラーメンを食べながら部屋に貼っている諭吉の写真に、
「ゆきっつあん、あの猫ね名前、にゃんこだったよ。部長が呼んでたもん…良かった、にゃんこもご飯くれる人が居て」
なんて独り言。
今日はやっぱり、良い日だったと碧はちょっとどころか、クッション抱いて転げ回るくらいにテンションが上がっていた。
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