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碧はご機嫌だった。
お昼、西島と一緒に食べれたし、帰りも同じ電車。
別にストーカーしているわけではなく、帰りは本当に偶然だった。
帰り間際、斉藤に呼び止められて立ち話したお陰。
ホームに行くと西島が立っていたのだ。
話掛けるなんて無理だから1両空けて乗り込む。
そして、同じ駅で降りる。
西島は碧に気付かず何時ものようにカツカツ音をさせて歩いて行く。
猫が居る公園の近くになると西島は周りをキョロキョロと見渡し、人が居ないのを確認すると公園へと入って行った。
碧はもちろん、見つからないように隠れていた。
にゃ~ん、
あの猫の鳴き声。
そして、他の子達も西島の近くへとすり寄っている。
西島は他の子達にもご飯を与えていて、あの子たちがまん丸なのは沢山食べているからだと碧は再確認。
あの猫はやっぱり近くまでは来ない。
一定の距離感。
でも、西島は満足げな顔をしている。
猫が食べ終わると、
「またな、にゃんこ」
と挨拶をして帰って行く。
碧は西島が離れて行ったのを確認すると公園へ入った。
猫達は碧を見ると近寄って来るが餌は要求して来ない。
お腹いっぱいのようだ。
猫達を撫でながら、西島がにゃんこと呼ぶ猫がどこに居るか探した。
姿はない。
やっぱり西島にしか懐いていないのかと寂しくなる。
猫達を撫でくりまわし、部屋へ戻ると良いタイミングで携帯が鳴った。
メール受信のようで、差出人は「お父さん」
碧の父親。
件名に、諭吉
と書かれてあって写真が付属されていた。
諭吉の写メ。
「わああっ、ゆきっつあん、可愛い」
送られてきた写メは凄く可愛くて諭吉に会いたくなる。
父親は毎日1枚は諭吉の写メを送ってくれるのだ。
連れて行きたいと騒いだし、引っ越したばかりの頃は毎日電話して諭吉の事を聞いていた。
だから機械おんちな父親は可愛い息子の為に、携帯の扱い方をマスターしたのだ。
しかも、
メールの内容は、
『お父さんはスマホにかえました』
だった。
碧でさえガラゲーなのに。
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